2020年3月29日

旧世代のインデックスファンドは死んでいく―今月の積立投資(2020年3月特定口座)



新型コロナウイルスの感染拡大で市場のボラティリティが非常に高くなっています。これだけ変動のスピードが速くなると、個人投資家レベルではタイミングを見計らっての売買というのは事実上不可能と言えるでしょう。皮肉なことに、改めて積立投資の優位性が浮き彫りになった形です。3月もいつも通りの買付を実施しました。ただ、今月は少しだけ動きもあります。前にも紹介したように保有している旧世代のインデックスファンドを売却し、現在積立ている超低コストインデックスファンドを同額分買い付けることでファンドのスイッチングを行いました。そこで改めて感じたのは、こうした動きが加速することで信託報酬が割高なままに放置されている旧世代のインデックスファンドは死んでいくであろうということです。

今月買付けたファンドは以下の通りです。

【特定口座(SBI証券)】
「ニッセイ日経225インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.093% 信託財産留保額:なし)
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」
(信託報酬:税抜0.189% 信託財産留保額:なし)
「Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型」
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
「世界経済インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
「iTrust世界株式」
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)

これまでと全く変化はないのですが、前にブログで書いたように(暴落を利用してポートフォリオの整理整頓―旧世代のインデックスファンドを売却します)、今回の暴落を利用してポートフォリオの整理整頓を行いました。具体的には、保有しているファンドのの中で以下のファンドを売却し、現在積立ているファンドを同額だけ購入しました。

〔売却〕
「SMTグローバル株式インデックス・オープン」
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.05%)
「eMAXIS新興国株式インデックス」
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)

〔購入〕
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.093% 信託財産留保額:なし)
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」
(信託報酬:税抜0.189% 信託財産留保額:なし)

このうち「SMTグローバル株式インデックス・オープン」はまだ若干の含み益があったのですが、「eMAXIS新興国株式インデックス」が含み損となっているので損益通算されて課税は発生していません。余計な課税コストを回避しながら、ファンドのスイッチングができました(ただし、これはあくまで課税繰り延べ効果ですから、新たに購入したファンドを売却する際に利益があれば課税されます)。

それにしても、こうして旧世代のインデックスファンドと最近の超低コストインデックスファンドを並べてみると、そのコスト差に驚きます。いかにここ数年で日本のインデックスファンドのコストが劇的に低下したのかを改めて実感しました。そして今回、保有ファンドを最新の超低コストインデックスファンドの乗り換えたことで、ポートフォリオ全体のトータルコストも劇的に低下することになります。

現在にような暴落によって保有しているファンドの含み益がなくなるタイミングは、コストが割高になっている旧世代のインデックスファンドから最新の超低コストインデックスファンドに乗り換える絶好のチャンスです。なぜなら、相場の先行きは不確実だけれども、超低コストファンドへのスイッチングによるトータルコストの低減という効果は“確実”だからです。

そしてもうひとつ感じたことがあります。それは、こうしたファンド乗り換えの動きが加速すれば、信託報酬が割高なまま放置されている旧世代のインデックスファンドは資金がジワジワと流出し、いずれ死んでいくということです。暴落相場になると投資信託の淘汰が進むのはいつものことですが、それがインデックスファンドでも起こる可能性が高い。今後はカテゴリー最安値水準の信託報酬となっているインデックスファンドだけが資金を集めることができるようになり、寡占化が一段と進むのでしょう。

“コロナ・ショック”によってインデックスファンドの勢力図が、さらに変わっていく予感を強くしました。

【ご参考】
積立投資についての入門書としては、カン・チュンドさんの『忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』と星野泰平さんの『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』、そして水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』が参考になります。ぜひ参照してみてください。

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