2019年11月22日

業界全体のコスト意識も高まってきた―2019年11月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



早いものでもう11月も後半。この調子であっという間に2019年も終わりそうな予感です。さて、SBI証券のオリジナルプランで拠出・運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の11月の買付(10月拠出分)が約定したので定例ウオッチです。ここしばらくは堅調な相場が続いていることもあり、11月20日時点での累積収益率は16.7%となりました。iDeCoも徐々にですが順調に加入者が増えています。そうした中、運営管理機関である金融業界全体にも低コスト化の意識が広まってきたようです。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。とくに代わり映えもなく、いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.52%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

先日、ブログにも書きましたが私が購入してる「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」の信託報酬が12月26日から0.34%に引き下げられます。iDeCoを含めた確定拠出年金制度に対して社会的な注目が徐々に高まってきたことで、やはり運用会社の間で競争原理が働くようになってきたのは喜ばしい。さらに、こうした動きは運営管理機関である金融機関にも広がってきたようです。

消費増税でもiDeCo手数料は引き下げ! iDeCo普及へプラン改定が進展(モーニングスター)

記事にあるように、信金や損保などでもiDeCoの運営管理手数料を引き下げたり、より低コストな商品をランアップした新プランを用意するなど低コスト化の動きが加速してきました。もっとも、このブログで“おすすめのiDeCo運営管理機関”として紹介しているネット証券・ネット銀行のプランは運営管理手数料は無条件無料で低コストな商品ラインアップも当たり前になっていますから、それらと比較すればまだまだ割高なコスト水準です。しかし、そういったプランにも受益者はいるわけで、そういった既存の加入者にとっては手数料が減額されるメリットは大きいのです。

やはり業界全体のコスト意識が高まってきたということでしょう。それは金融機関同士の競争原理によるものだといえますが、同時に加入者や受益者の利益を重視することでもありますから、やはり評価するべきなのです。

もうひとつ注目すべき動きがあります。運営管理手数料や信託報酬が低下するにつれて、国民年金基金連合会(国基連)に支払う手数料の存在が徐々に焦点化され始めました。モーニングスターの記事は次のように書いています。
運営管理機関が相次いで手数料を引き下げる中、国基連が徴収する月額105円の手数料が高すぎるのではないかという議論も出ています。国基連としては、加入手続きの電子化(印鑑レスとペーパーレス化)に向けての膨大なシステム改修費用の負担のため、妥当な金額としていますが、加入者増とのバランスを考えながら、適切な料金設定をしていくとも表明しています。iDeCo加入者数が200万人、300万人と増えていけば、国基連の手数料の引き下げも現実のものとなるでしょう。
今後、国基連の手数料の合理性が問われるようになるでしょう。ぜひ、記事にあるようにiDeCo加入者が順調に増加することが手数料の引き下げにつながって欲しいと思います。

【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoの前提として日本の公的年金制度について勉強するなら、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障 増補版』が最良にして必読の入門書です。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。



iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。





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