2018年11月18日

しばらくはSBI証券の旧プランを継続します―2018年11月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



SBI証券で加入している個人型確定拠出年金(iDeCo)の11月の買付が約定しました(10月拠出分)。11月も相変わらず不安定な相場が続いており、11月17日現在での累積リターンは前月から若干改善して+12.4%となりました。こういった時ほど余計な判断を挟まずに自動で定期・定額投資してくれるiDeCoは威力を発揮するのでしょう。それと、11月からSBI証券はiDeCo新プラン「セレクトプラン」の申込受付を開始しているのですが、いろいろ考えた上でしばらくは旧プラン「オリジナルプラン」での拠出を続けることにしました。

SBI証券のiDeCoプランで買付けているファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.21%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.52%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.28%以内)
「あおぞらDC定期」

さて、SBI証券は11月からiDeCoの新プラン「セレクトプラン」の申込受付を開始しました。「セレクトプラン」は、現状では最強ラインアップと言えます。ですから、これからSBI証券のiDeCoに加入するなら、「セレクトプラン」の一択だと言っていいでしょう。
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問題は、私のように旧プラン「オリジナルプラン」加入者です。「オリジナルプラン」から「セレクトプラン」へは手数料無料で移換できるのですが、やはり手続きのためにいったんオリジナルプランの保有ファンドをすべて現金化した上でセレクトプランに移換されることになります。この際に約2カ月ほどのタイムラグが生じることになります。

すでにセレクトプランへの移換を検討している人も多いと思います。その方が明らかにコスト削減になるのですから、極めて合理的な判断でしょう。ただ、私はいろいろと考えた末に、もうしばらくはオリジナルプランで拠出を続けることにしました。理由は2つあります。

ひとつは、移換にともなうファンド売却と移換後の再買付に2カ月ほどのタイムラグが生じることが非常に気になるのです。この間に相場の急変があると、思わぬ打撃をこうむる可能性がある。実際に私はかつて琉球銀行のプランからSBI証券のプランに移換した際にいやな思い出があります。そして現在、世界の株式相場はやや不安定な状態ですから、ちょっとここで動くのが嫌なわけです。
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もうひとつの理由は、ちょっとした個人的好みの問題。じつは現在のプランで購入しているファンドの中で「EXE-i新興国株式ファンド」が非常に気に入っていて、これを引き続き購入したいのです。「EXE-i新興国株式ファンド」は、通常の新興国株式インデックスファンドとやや異なる特徴があります。それは、ベンチマークが一般的なMSCIエマージング・マーケット・インデックスではなく、FTSEエマージング・インデックスだということ。

MSCIエマージング・マーケット・インデックスとFTSE・エマージング・インデックスの最大の違いは韓国の取り扱いです。MSCIは韓国を新興国に区分していますが、FTSEは先進国に区分しています。このためFTSEエマージング・インデックスをベンチマークとする新興国株式インデックスファンドは、基本的に韓国株を含みません。

ただし、「EXE-i新興国株式ファンド」はファンド・オブ・ETFsですから、純粋にFTSEエマージング・インデックスと同じポートフォリオとはなりません。ポートフォリオの10%を占める「iシェアーズコアMSCIエマージング・マーケッツETF」はベンチマークがMSCIの新興国小型株インデックスなので、ここで若干の韓国株を含むことになります。しかし、それでもファンド全体では非常に小さなウエートにとどまります。

私は新興国株式への投資が大好きなのですが、唯一不満だったのが韓国株です。なぜなら、韓国株インデックスはサムスンなど少数の企業のウエートが大きすぎるのです。このため、個人的には韓国は先進国に入れたほうが良いと思う。そうすればサムスンなどごく少数の韓国巨大企業も、他のグローバル企業と同様のウエートに落ち着くはずです。

私はiDeCo以外の口座ですでにMSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとする新興国株式インデックスファンドを保有しています。そこでiDeCoでは韓国株のウエートが少ない「EXE-i新興国株式ファンド」を購入することで、ポートフォリオ全体で韓国株のウエートを抑えることにしていました。ですから「EXE-i新興国株式ファンド」は、ぜひとも引き続き購入を続けたいファンドだったのです。これがSBI証券のiDeCoで当面は「オリジナルプラン」での拠出を続ける理由です。

もちろん、これはあくまで個人的な相場観に基づく投資戦略ですから、他の人に勧めることはしません。繰り返しますが、これからSBI証券のiDeCoに加入するなら「セレクトプラン」を選ぶのがベターだし、「オリジナルプラン」の加入者も「セレクトプラン」に移換することは極めて合理的です。

ただ、私のようにやや天邪鬼な投資戦略を採用している加入者がいることも敢えて紹介しておきたかった。なぜなら、SBI証券は「オリジナルプラン」を切り捨てるのではなく、今後もメンテナンスとアフターフォローに力を入れてほしいからです。そして「オリジナルプラン」に採用されているファンドの運用会社にも、引き続きコスト削減などの努力を続けてほしいと強く要望します。

【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です(SBI証券は11月1日から新プランの受付も開始)。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

また、iDeCoは、やや制度が複雑なので解説書を読んで研究するのも良いでしょう。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。





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