2018年11月23日

「三井住友・DC」シリーズのREITインデックスファンド2本が信託報酬を引き下げ



三井住友アセットマネジメントが、低コストインデックスファンド「三井住友・DC」シリーズのREITインデックスファンド2本の信託報酬を11月22日から引き下げました。

「三井住友・DC日本リートインデックスファンド」信託約款変更のお知らせ(三井住友アセットマネジメント)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」信託約款変更のお知らせ(同)

「三井住友・DC」はシリーズ名にDCが入っていますが、一般・DC兼用ファンドのため、確定拠出年金以外でもネット証券などで購入することができます。インデックスファンドの低コスト競争における三井住友AMの戦略商品ともいえるシリーズですから、今回の信託報酬引き下げで、まだまだ競争から撤退する気はないという意思表明をしたともいえそうです。

今回の改定で2ファンドそれぞれ信託報酬が税抜0.01%引き下げられました。引き下げ後の信託報酬は以下のようになります。

「三井住友・DC日本リートインデックスファンド」(税抜0.25%以内)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(税抜0.27%以内)

なお、両ファンドとも純資産残高が200億円を超える部分に関しては段階的に信託報酬が割引される方式を採用しているため、ファンドが成長すればコストはさらに微減するようになっています。

国内外REITインデックスファンドとしては、りそなアセットマネジメントの「Smart-iインデックス」シリーズが最安値ですが、「三井住友・DC」の2ファンドはこれに続く低コストとなり、ニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>」シリーズやアセットマネジメントOneの「たわらノーロード」シリーズに並びます。実質コストや純資産残高の規模を考えると、「三井住友・DC」のREITインデックスファンドは依然として有力な選択肢となりえます。

これは以前にもブログで書きましたが、インデックスファンドというのは一種の装置産業ですから、規模の経済が働きやすい。ですからどうしても淘汰・集約による寡占状態となりやすい。長期的に生き残ることのできるファンドは、各資産クラスで2~3ファンドぐらいではないでしょうか。そうなると、いま起こっている猛烈な低コスト競争は、その限られた席を目指した最終決戦ともいえます。

そうした中、今回の信託報酬引き下げは三井住友AMとしてもまだまだ競争から撤退する気はないという意思表明でしょう。とくにREITインデックスファンドは株式インデックスファンドと比べて、ややコスト引き下げのペースが遅れてました。そこで先んじて競争力を発揮しておくことは極めて重要。なぜなら、インデックスファンドというのは先行者利益が非常に大きな商品分野だからです。その点も含めて、三井住友AMのやる気を感じました。

また、「三井住友・DC」は、もともとがDC専用ファンドだった関係で企業型DCや個人型DC(iDeCo)でも多く採用されています。この点でも今回の信託報酬引き下げによって恩恵を受ける受益者は多い。私個人もSBI証券のiDeCoで「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」を積み立てているので、非常にありがたいです。この調子で三井住友AMには、引き続き頑張ってほしいと思います。

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