2017年9月24日

「三井住友・DCつみたてNISA」シリーズの功績



先日もブログで少し紹介しましたが、三井住友アセットマネジメントの超低コストインデックスファンド「三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」が9月21日から「三井住友・DCつみたてNISA日本株式インデックスファンド」に名称変更し、信託報酬も引き下げられました。また、同時に「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」もシリーズ名が「三井住友・DCつみたてNISA」へと名称変更されています。

「三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」ファンド名称変更および信託報酬率引下げ等のお知らせ(三井住友アセットマネジメント)
「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」ファンド名称および信託約款の変更等のお知らせ(同)

新変更が示すように、明らかに来年からはじまる「つみたてNISA」を狙った動きです。こうした三井住友AMのやり方は素晴らしい。業界に与えた影響も含めて「三井住友・DCつみたてNISA」シリーズの功績は大きいと思うのです。

来年から始まる「つみたてNISA」は信託報酬をインデックスファンドなら0.5%以下、アクティブファンドでも1%以下の抑えなければ対象商品として認められません。このため運用会社も「つみたてNISA」対象商品として競争力を確保するために、インデックスファンドの低コスト競争が一段と激化しています。

ここで私が注目していたのが、運用会社がインデックスファンドの低コスト競争を戦う時の"戦い方"でした。従来、日本の運用会社がインデックスファンドの低コスト競争を戦う場合、より信託報酬の低いファンドを新規設定する方法が主流でした。実際に「つみたてNISA」対象商品を狙った低コストファンドが新規設定される動きが一部にあります。しかし、すでに十分に低コストなインデックスファンドを持っている運用会社が、それとは別に低コストなファンドを新規設定するやり方はセコいのです。

なぜなら、既存ファンドの受益者からは引き続き従来通りの信託報酬を取ろうという下心が透けて見えるから。そういった態度が、既存ファンドの受益者に対して不誠実なのです。そうではなくて、既存ファンドを信託報酬を引き下げることで低コスト競争を戦うべきでしょう。それが既存ファンドの受益者に対するフィデューシャリー・デューティーというものです。

その意味で三井住友AMの動きは称賛に値します。「三井住友・DC」シリーズは確定拠出年金(DC)だけでなく通常の課税口座でも販売が開放されています。今回、「三井住友・DCつみたてNISA」シリーズへと名称変更し、さらに一部商品の信託報酬が引き下げられたということは、三井住友AMは課税口座、DC、そして「つみたてNISA」のすべてで「三井住友・DCつみたてNISA」シリーズによって低コスト競争を戦うという意志を明確にしたのです。

このように既存ファンドの受益者の存在も無視しない形で低コスト競争を戦う「三井住友・DCつみたてNISA」シリーズの功績は大きい。こうした動きに刺激されたのか分かりませんが、アセットマネジメントOneと大和証券投資信託委託もそれぞれ「たわらノーロード」シリーズと「iFree」シリーズの信託報酬を引き下げ、既存ファンドで課税口座、DC、そして「つみたてNISA」での低コスト競争を戦う姿勢を明確にしました。

「つみたてNISA」は、対象商品となるために金融庁への届出が必要ですから、いったん制度がスタートすれば安易にファンドの新規設定による低コスト化という方法はとりにくいはず。そういうことも含めて、ぜひとも他の運用会社も「三井住友・DCつみたてNISA」の動きに見習い、既存ファンドでの低コスト競争を戦って欲しいと思う。それがインデックスファンドの正しい在り方であり、低コスト競争の"戦い方"として本筋だからです。

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