2018年9月20日

インフレは年金生活者にとって最大の脅威―2018年9月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



SBI証券で加入している個人型確定拠出年金(iDeCo)の9月の買付が約定していました(8月拠出分)。相場も少し落ち着いてきたこともあり、9月18日段階での累積リターンは+15.2%となり、前月からやや上昇しています。iDeCoの加入者もあいかわらず増加傾向のようでモーニングスターによると8月にはおそらく100万人を突破したでしょう(「iDeCoの7月新規加入者は約3.39万人、加入者総数が100万人に迫る」)。やはり現役時代から老後資金を作るということの意味を分かっている人は分かっているということです。

SBI証券のiDeCoプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.21%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.52%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.28%以内)
「あおぞらDC定期」

SBI証券のiDeCoプランは「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」施行にともなって商品数を35本以下に削減しなければならず、既に除外候補商品が発表されています。それに合わせて私も先進国債券インデックスファンドと先進国REITインデックスファンドをスイッチングしました。そのため今月から買付商品も変更しています。
【関連記事】
SBI証券のiDeCoで積み立て商品の変更と保有ファンドのスイッチングを実行しました

さて、iDeCoは原則として60歳まで換金できませんから、ある意味で老後資金形成のための専用口座です。このため一部の人からは「60歳まで資金が拘束されるのはデメリットが大きすぎる」という評価もあります。その一方で公務員をはじめと多くの人は新規にiDeCoに加入している。なぜそうなるのか。それは恐らく、早いうちから老後資金を手当てすることの意義をどれだけ深刻に捉えているかの違いかもしれません。その意味で、興味深い記事がNIKKEI STYLEに載っていました。

インフレは年金生活者を直撃 資産形成を(NIKKEI STYLE)

東京海上アセットマネジメントの平山賢一執行役員運用本部長による指摘ですが、これは全くその通りで、年金生活者にとってインフレは最大の脅威です。なにしろ現役世代ならインフレになっても、ある程度は収入の増加がインフレ率に連動しやすいのですが、年金というのは増えるケースが少なく、すぐにインフレ負けしてしまう。だから歴史的に見ても高インフレになった社会でもっとも打撃を受けるのは年金生活者でした。その構造は現在も変わりません。

だから、平山さんが指摘するように「いわずもがなですが、現役時代は稼げるだけ稼いで早くから資産形成に取り組んでおいた方がいいでしょう」ということになる。突き詰めると、資産形成・運用というのはインフレに対する備えが最大の目的となるわけです。

そう考えると、原則60歳まで資金が拘束されるというiDeCoの仕組みは一概にデメリットとは言えなくなります。いったん加入すれば強制的に老後資金の形成ができるわけですから、私のような浪費家にとっては逆にありがたい。少なくとも私は、そういった考え方でiDeCoへの拠出を続けているのです。

【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

また、iDeCoは、やや制度が複雑なので解説書を読んで研究するのも良いでしょう。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。





関連コンテンツ