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2018年9月8日
米国株への投資が成功して参考指数をアウトパフォーム―ひふみ投信の2018年8月の運用成績
最近、なにかと話題の「ひふみ投信」です。運用成績が悪化しているのではないかと言われていて、私も受益者の1人として気になるところ。2018年8月次運用報告書が出ましたので定例ウオッチです。2018年8月の「ひふみ投信」の騰落率は-0.1%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は-1.0%となり、参考指数をアウトパフォームしました。純資産残高は8月31日段階で1463億円(前月は1445億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は8074億円(前月は7843億円)となりました。いまのところ資金流出は起こっておらず、逆に資金流入に。結局、騒いでいる人は少数派で、あいかわらず受益者の信頼は厚いものがあるようです。
8月の株式相場は前半に“トルコリラ・ショック”や米中貿易摩擦への懸念から大きく下げましたが、後半はそうした懸念後退から株価も切り返しています。大幅下落が続いていた中小型株も、ようやく下落に底入れ感が出ています。また、米国株式は堅調に推移し、S&P500指数は8月27日に過去最高値を更新しました。こうした恩恵は「ひふみ投信」にとっても大きく、中小型株の下落を米国株の上昇で補うことで参考指数をアウトパフォームすることに成功しました。
日本株ファンドの多くは、ファンドの規模が大きくなると機動力や流動性の面から中小型株への投資が難しくなり、大型株のウエートを上げざるを得なくなります。するとTOPIXなど指数に対してなかなか勝てなくなるというのがよくあるパターン。しかし、「ひふみ投信」はファンドの規模が拡大したときに、日本の大型株への投資を増やすのではなく、米国の超大型株に投資する戦略を選びました。この戦略がいまのところ成功しているといえそうです。
一方、今後の運用に関して最高運用責任者の藤野英人さんは、かなり厳しい見通しを持っているようです。ポイントは「米中貿易摩擦」「景気動向」「消費税」だとか。米中貿易摩擦によって、例えば中国が自国内での半導体生産を拡大するようなことになれば、日本の半導体製造装置メーカーにとってはチャンスになります。一方、日本の景気は端境期に入っていて、力強く株価が伸びる業種が少なくなってきた。そこにきて2019年には消費税の引き上げが予定されています。消費税が引き上げられると、日本の消費は大打撃を受けるのはほぼ間違いなさそう。そこでは軽減税率の対象となる商品の消費が伸びる可能性があると見ている。
こういう指摘を見ると、今後の運用環境はかなり厳しいと考えて間違いなさそう。そうなってくると受益者としての覚悟が問われる場面も増えてくるかもしれません。言い換えると、下落相場になればなるほど、受益者とのリレーションシップが強いファンドだけが生き残ることができるわけです。恐らく「ひふみ投信」の真価が試されるのは、これからなのでしょう。
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回はネットワークインテグレーターのネットワンシステムズ(7518)です。ネットワークインテグレーターとしては最大手の一角。クラウドコンピューティングやIoTの普及などで通信インフラの重要性は一段と高まっていますから、投資家としていろいろと楽しいストーリーを想像できる銘柄かもしれません。このあたりも「ひふみ」らしい銘柄のひとつでしょう。
【ご参考】
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また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券、イオン銀行、松井証券、マネックス証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券、イオン銀行、松井証券、マネックス証券のiDeCoはいずれも運営管理手数料が無料であり、低コストなインデックスファンドをそろえた商品ラインアップも素晴らしく、iDeCoの選択肢として最有力です。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン、マネックス証券確定拠出年金プラン