2018年7月10日

“仲間”の存在が長期投資を実践するための支えになる



7月7日に恒例の「インデックス投資ナイト」が開催されました。今回はチケットを入手できなかったの参加できませんでしたが、当日はTwitterでいろいろな人が実況ツイートを上げていたので、会場から遠く離れた大阪でもなんとなく盛り上がりを体感できました。また、参加ブロガーが続々と参加レポートをアップしており、それを読むのも非常に楽しいです(水瀬ケンイチさんがリンク集記事をアップしています)。そこで改めて感じたのが、長期投資を実践するためには“仲間作り”が非常に大切だということ。“仲間”の存在が長期投資を実践するための支えになるのです。

インデックス投資ナイトの当日は、じつは勝手に「裏インデックス投資ナイト」と題してチケットを入手できなかった関西在住のインデックスブロガー・ツイッタラー有志でオフ会をやっていました。当初は私を含めて6人でやる予定だったのですが、あいにくの大雨による交通機関の一部麻痺で、参加したのは私とローズマリーさん、バカオヤヂさんの3人というこじんまりとしたオフ会です。ローズマリーさんお薦めの店で小洒落たイタリアンと飲み放題を堪能しつつ、Twitterで本家「インデックス投資ナイト」の実況ツイートなどを見ながら楽しみました。ちなみに、インデックス投資ナイトに登場した「某投資ブロガー」がテリーさんだと分かったときには、大阪でも大変な盛り上がりでしたよ。

オフ会といってもこじんまりとした飲み会ですから、投資や資産形成の話題だけでなく、例えばバブル景気の頃の就職活動の実態やネット証券・ネット銀行が普通の人にとっては意外とハードルが高いこと、日大にはアメフト部がいくつもあることなど、まあいろいろな話題が出たわけです。ただひとつ共通しているのは、こうやって同じように長期投資による資産形成・運用を実践している者同士、なんとも言えない“仲間”という感覚が生まれて心地よいということです。

そう考えていたら、「インデックス投資ナイト」の実況ツイートで興味深い内容がタイムラインに上がってきました。第3部の有識者座談会での竹川美奈子さんの発言に関するものです。


これはまったくその通りだと思う。なぜ「仲間を作る」ことが大事なのか。それは、投資という行為はどこまでも自己責任原則が貫徹される世界だからこそ、投資家はどこか孤独な存在となりやすいからです。人間は孤独になると頭の回転が悪くなるので間違いを犯しやすい。結局、投資で失敗するというのはそういう状態の時に起こるのではないでしょうか。だから仲間を作ることが大切になる。他者との相互批評は、頭の回転を良くしていくれるのです。

そういった観点から考えると、そこにはインデックス投資という手法の優勢性もあります。インデックス投資は“仲間作り”がやりやすい投資手法です。なぜなら、インデックス投資家はポートフォリオの配分によって若干の差はあるものの、基本的にリスク資産の期間収益率は似たような水準になります。相場が良いときは全員が儲かるし、相場が悪くなれば全員が損をする。投資家同士の共感と連帯が生まれやすいといえるでしょう。

ところが個別株やFXの短期売買ではそうはいきません。短期売買は常にゼロサム・ゲームの要素がありますから、投資家同士はいわばライバル関係になる。実際に期間収益率にも大きな差が生じ、そこに勝ち負けの関係が生まれる。勝ちは過信と傲慢を生みやすく、負けは後悔と卑屈を生みやすい。そういう人間心理の難しさが投資家同士の共感と連帯を妨げる要素になる。短期売買による投資が難しいのは、じつは仲間作りが難しく、どうしても孤独に耐える精神力が必要になるからかもしれません。そういう状況でも投資を続けるには、やはりある種の才能が必要になります。

だからこそ「インデックス投資ナイト」のようなイベントは尊いのです。あるいは各地で開かれている「コツコツ投資の会」だってそうでしょう。そして、それこそ小規模なオフ会だって大いに意味があるはずです。そこで出会った“仲間”の存在が長期投資を実践するための支えになるのですから。そんなことをオフ会の帰りにしみじみと感じたのでした。

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