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2018年1月20日
ファンドが成長すれば運用は安定し、実質コストも下がる―「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」第4期運用報告書を読む
ニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>シリーズ」のうち6ファンドの運用報告書が交付されました。各ファンドの実質コストまとめなどは有力ブロガーさんに任せるとして、さっそく自分が保有している「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の第4期(2016年11月22日~2016年11月20日)運用報告書を読んでみました。順調に純資産残高を増やしたことが実質コストや運用精度にどのような影響を及ぼしているか気になるところです。
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、惜しくも4連覇こそ逃しましたが昨年11月に実施された「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」でも第2位に入る人気ファンドです。低コストであるだけでなく、純資産残高の増加に合わせて断続的に信託報酬を引き下げることでファンド成長の利益を受益者に還元する姿勢が明確であり、インデックス投資家の間でも高い支持を集めています。第4期運用報告書によると、実質コストは以下のようになりました。
信託報酬 0.215%
売買委託手数料 0.007%
有価証券取引税 0.02%
その他費用 0.073%
合計 0.315%
当該期から信託報酬が引き下げられたことに加えて、そのほかのコストもすべて前期実績を下回ります。このため第4期の実質コストは0.315%となり、第3期の0.379%から0.064ポイント低下しました。なお、分配金はありませんでした。運用精度の面ではベンチマーク(MSCIコクサイ・インデックス(配当込み))騰落率が+23.3%に対してファンドの基準価額騰落率も同じく+23.3%となりました。おおむねベンチマークに連動した運用ができたことになります。
第3期と比較すると第4期は実質コストが低下し、運用精度も安定してきたわけですが、その要因はやはりファンドが成長したことでしょう。「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の純資産残高は第4期末段階で684億円となり、前期末の356億円からほぼ倍増しています。そしてマザーファンドの純資産残高は当該期末が1056億円となり、やはり前期末の624億円から大幅に増加しています。ファンドが成長すれば運用効率が高まり、実質コストが低下して運用精度も向上するというインデックスファンドの特徴がよく表れています。
ただ、同じく「配当込み」指数をベンチマークとする競合ファンドである「たわらノーロード先進国株式」や実績のある「Funds-i外国株式」、ベンチマークが「配当除く」ですがやはり実績のある「eMAXIS先進国株式インデックス」「SMTグローバル株式インデックス」などと比較すると信託報酬以外の隠れコストがまだ高い。これは「たわらノーロード」「Funds-i」「eMAXIS」「SMT」のいずれもマザーファンドの規模が3000億円台と大きいからです。
ですから、引き続き「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の純資産残高を増やし、マザーファンドを大きくしていくことがニッセイAMの仕事です。マザーファンドを同じくする「DCニッセイ外国株式インデックス」など他のベビーファンドも含めて受益者の支持を集めなければなりません。そのためには、現在熾烈を極める低コスト競争から逃げないことが大切になると思う。それさえできていれば受益者の支持はおのずと集まり純資産残高も増加していきますから、ますます実質コストが低下し、運用精度も向上するはず。それこそが受益者の支持によってファンドが成長し、その利益が受益者に還元されていくという、インデックスファンドが目指すべき好循環の形なのです。