2017年12月27日

信託報酬が劇的に下がった1年でした―今月の積み立て投資(2017年12月特定口座)



2017年もあとわずかです。今年もいろいろありましたが、投資という面では近年まれにみる順調な1年だったと思います。このほど今月の積み立て投資が約定しました。これで2017年の投資は打ち止めです。そして改めて感じたのですが、今年はインデックスファンドの信託報酬が劇的に下がった1年でした。

今月、買い付けたファンドは以下の通りです。

【特定口座(SBI証券)】
ニッセイ日経225インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.189% 信託財産留保額:なし)
たわらノーロード新興国株式
(信託報酬:税抜0.495% 信託財産留保額:0.3%)
Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
世界経済インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
iTrust世界株式
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)

今月も大きな変化はありません。新興国株式インデックスファンドは、「たわらノーロード新興国株式」が2017年12月30日付で信託報酬が0.34%(税抜)に引き下げられますので特に商品を乗り換える必要はないと考えていたのですが、驚いたことに「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の信託報酬が2017年12月13日から0.19%(税抜)に引き下げられました。とりあえず今月は様子見しましたが、来年からは商品の乗り換えを検討します。

改めて思うのが、ここ数年でインデックスファンドの信託報酬が劇的に下がったということです。例えば2016年1月に私が積み立て投資していた先進国株式インデックスファンドと新興国株インデックスファンドは以下のようなものでした。

SMTグローバル株式インデックス・オープン
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.05%)
eMAXIS新興国株式インデックス
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)

いずれも当時としては十分に低コストなファンドでしたが、現在の水準からみるとなんとも言えない割高感があるわけですから、今の信託報酬水準がいかに低下しているかよくわかります。そして、こうした動きを惹起したのは、やはり2018年1月から始まる「つみたてNISA」でしょう。金融庁が「つみたてNISA」対象商品の信託報酬を規制したことで、良い意味で運用会社の低コスト競争が促進されたということです。

一方、運用会社には運用会社の戦略があるはずです。「つみたてNISA」について「金融機関にとっては儲けの少ない制度なので、金融庁に忖度して付き合っているだけ」と言った憶測もあるのですが、私はそうではないと思う。少なくとも金融業界の上層部では「つみたてNISA」を中心とした積み立て投資市場というのは、絶対に負けることができないマーケットとして認識されているのでは。なぜなら、それこそ日本の運用業界にとって残された最後のフロンティアだからです。この点に関しては以前にもブログで指摘しました。
【関連記事】
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「つみたてNISA」が始まることで、日本もいよいよ本格的な“積み立て投資時代”を迎える可能性があります。そしてインデックスファンドの低コスト化によって、そのための物理的条件が整備されたといえそうです。

【ご参考】
来年から「つみたてNISA」も始まることで、あらためて積み立て投資に関心を持つ人も多いことでしょう。まずは簡便な参考書で研究してみては。お薦めの参考書として、カン・チュンドさんの『忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』と星野泰平さんの『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』を挙げておきます。ぜひ参照してみてください。

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