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2017年11月18日

GEを買い増しました―個別株投資は長期的事業戦略へのコミットメント



久しぶりに個別株投資の話です。最近、なにかと話題のゼネラル・エレクトリック(GE)の株をこのほど買い増しました。GEは私の米国個別株投資のポートフォリオでコア的位置を占める銘柄ですが、ここ最近の値下がりがひどく、かなりの含み損になっています。おまけに減配となり、ますます株価が低迷しているわけですが、本当に自分が良い会社だと思うなら、こういう時にこそしっかりと“応援買い”をしてやらなければというのが私の考え。なぜなら、個別株投資というのは、その企業の長期的事業戦略へのコミットメントによって行うものだと考えているからです。

今回のGEの業績低迷は、主に発電タービン部門が深刻な収益低迷に陥ったため営業キャッシュフローが悪化したことが要因です。このため減配に踏み切った上で、今後は低収益な部門のリストラを断行するということになるのでしょう。一方、主力の航空機エンジン部門やヘルスケア部門は現在も好調を維持しています。こうしたことを考えると、現在のGEの経営状態というのは、投資家が騒ぐほど深刻ではないというのが私の見立てです。

そもそも個別株に長期投資する以上、一時的な業績悪化による株価下落や減配ぐらいでオタつくのは、そもそも個別株投資への覚悟が足りない。企業の歴史の中で、当然ながら好調なときもあれば不調なときもあるわけですから。そこからどのようにビジネスを革新していくのかという長期的な事業戦略こそが企業価値の根源です。そして個別株への長期投資というのは、その長期的な事業戦略に対するコミットメントとして行うもの。だから事業戦略にコミットメントしている間は、たとえ株価が低迷し、減配になろうとも、投資家は企業とともに耐えなければならない。それがオーナーシップの一員たる株主としての矜持だと思うのです(だから逆に事業戦略にコミットメントできないと感じたなら、たとえ株価が好調でも売却するべき)。

GEは現在、劇的な事業構造の革新に取り組んでいます。それは従来型の産業用設備・機器メーカーから、IoTプラットフォーム・サービスなどを含むインダストリアル・インターネット企業への転換です。例えばジェットエンジンにセンサーを組み込み、稼働状態をクラウドサービス上でモニタリングし、そこからさまざまなサービスを生み出すなどが一例でしょう。そして既にインダストリアル・インターネット企業として様々な基幹ソフトの開発も進んでいます。

そもそも私がGEの株を買ったのも、こうした長期的なビジョンと戦略に魅せられたからです。そして、その評価はいまも変わっていません。だから今回、さらに株を買い増したわけです。GEがやろうとしていることの可能性と価値を考えれば、今の株価などタダのような値段だとさえ思えたのです。

もちろん、今後もしばらくはGEが収益面で苦労する可能性についても承知の上です。なぜなら、大胆な事業構造の転換にあっては、収益構造やキャッシュフローのパターンが変わりますから、過渡期において一時的に収益が低迷するケースも多いからです。しかし、そういう生みの苦しみがあるからこそ、将来の成長もまた可能になると言えるでしょう。

いずれにしても個別株への長期投資というのは、やはり企業の長期的な事業戦略やビジョンの可能性に対して自分なりに評価した上で判断するものです。たんに過去の株価の推移や配当水準だけを見て投資しているようでは底が浅い。個別株への長期投資をやっていると豪語する以上は、やはり企業のビジョンや事業戦略に対する個人投資家なりの考察があって当たり前だと思うのですが、いかがでしょうか。
(本稿は特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。)

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