2017年5月10日

現金比率を高めて急落リスクに備える―ひふみ投信の2017年4月の運用成績



「ひふみ投信」の基準価額がこのほど4万円を超えました。日本ではいまだに投資信託の基準価額が大きいと「割高だ」などと頓珍漢なことを言う人が多いので(驚くべきことに金融機関の営業担当者の中にすらいます)、そういった投信の仕組みに対する根本的な無理解を打破する上でも、さらなる基準価額上昇を期待したいところです。また、レオス・キャピタルワークスとしても運用総額が3000億円を超えました。独立系運用会社としては立派な数字です。わずか数年前まではSNS上で藤野英人社長が大手運用会社の関係者から直接「ゴミ投資家」といった揶揄の言葉を投げかけられていた様子を目の当たりにしていた受益者の一人として感慨深いものがあります。その「ひふみ投信」の2017年4月次運用報告書が出たので定例ウオッチです。「ひふみ投信」の4月の騰落率は-0.2%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+1.3%でした。純資産残高は4月28日段階で528.6億円(前月は496.1億円)、受益権総口数は13,478,504,031口(前月は12,512,291,598口)となり、引き続き大幅な資金流入が続いています。

4月は久しぶりに参考指数をアンダーパフォームしたことになります。4月は北朝鮮問題の緊迫化といった地政学リスクやフランス大統領選挙に対する不安感から比較的ボラティリティの高い相場となったわけですが、そういったな中で「ひふみ投信」「ひふみプラス」には大きな資金流入が続き、マザーファンドの規模は2000億円を超えました。このため無理に買い進めるのではなく、一時は現金比率を17%まで高めるというかなり慎重なポジションをとったとのことです。これが結果的にリターンを押し下げたと見るべきでしょう。

5月に入って懸念されたフランス大統領選挙もマクロン候補の勝利となり、それをきっかけに世界の株式相場も急速にリスクオンの流れが強まりました。ただ、やや過熱感が無きにしも非ず。この辺りの微妙な気配を「ひふみ投信」のファンドマネージャーである藤野英人氏も敏感に感じ取っているようです。配信された「ひふみアカデミー」でも、そのあたりがかなり印象に残っています。



このため今後の運用も比較的慎重なポジションと銘柄選択が基本となりそうです。藤野氏は運用報告書で次のように述べています。
地政学的リ スクの後退とともに現金比率を14%程度まで下げました。しかしそれでも過去の中でも現金比率を高めに保っているのは、短期的な相場の過熱感で市場が急落するリスクに備えているからです。
こうなってくると、ますます銘柄選択の重要性が高まります。いったんリスクオフの流れが始まると、中身の無い企業というのは真っ先に株価が剥落するからです。この点に関して藤野氏は次のように述べています。
これからは決算発表が本格化してきます。投資先企業の決算の中身を精査しながら、より成長性のある企業の保有割合を引き上げて、そうでない企業の割合を引き下げていくという基本動作を徹底することが長期的なリターンを 高めると考えています。
すでにポートフォリオの中身には変化の兆しもあります。現在の組入れ上位銘柄を見ると、新たにアマノ、任天堂、小松製作所といった名前が登場しました。引き続き地味で地道な中小型企業、半導体関連、そして経営革新を進める大型企業(きれいなオジサン銘柄)がポートフォリオの軸となるようです。

ただ、アクティブファンドにとってひとつの“壁”となる純資産3000億円がいよいよ具体的に見えてきただけに、運用スタイルの新たな展開も模索していることでしょう。そういった気配は、すでに藤野氏自身が様々なところで語っていることです。この辺りも含めて受益者としては引き続き「ひふみ投信」を見守っていこうと思います。
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さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回はアウトソーシング(2427)でした。製造メーカー向け業務外部委託サービスの会社です。あまり目立っていませんが「ひふみ投信」はかなり以前から労働・人材関連の銘柄を積極的にポートフォリオに組み入れていました。アウトソーシングは、その代表格ともいえる銘柄です。最近はいよいよ人手不足の深刻化がシャレにならないレベルになってきているので、こういった労働・人材関連銘柄というのは、いろいろとストーリーが描けるのではないでしょうか。

【ご参考】
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