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2017年3月31日

純資産残高急増で「ひふみ投信」は変質するのか



やはりテレビの影響というのはすごいもので、「カンブリア宮殿」に取り上げられたことをきっかけにレオス・キャピタルワークスの「ひふみ投信」「ひふみプラス」「ひふみ年金」の純資産残高が急増しているそうです。

「ひふみマザーファンド」の残高1800億円に(「日経新聞」電子版)

記事を読むと異様な盛り上がりで、かえって心配になります。何度もブログで書いてきましたが、アクティブファンドへ投資というのは軽々にするべきものではなく、ファンドやファンドマネージャーの運用哲学にかなり踏み込んでコミットメントして初めて資金を投じるべきなのです。その意味で現在の「ひふみ」人気に危険な兆候を感じてしまうのは私だけではないでしょう。そして、日本株ファンドの宿命として純資産残高が増加すれば、運用の難易度は上昇します。これまでも好成績を上げていたアクティブファンドの多くが、それゆえの人気から純資産残高が急増し、ファンド自体が変質していった歴史があります。果たして「ひふみ」もまた変質していくのでしょうか。

以前、どこかで山崎元さんが「アクティブファンドへの投資は、相撲のタニマチになるようなもの」と言っていましたが、これは言い得て妙です。ファンドの可能性を信じて資金を投じても、そのファンドが横綱になるのか、それとも幕下で廃業するのか分からないからです。それは同時に、アクティブファンドへの投資の意味はリターンだけではないと個人的には考えています。たとえタニマチとして資金を投じている力士が幕下に低迷したとしても、それこそ定期的に相撲部屋に呼んでくれて、一緒にちゃんこを食べることができれば、それはそれでタニマチの楽しさです。

そういった認識を持つためには、ファンドとファンドマネージャーの運用哲学や理念に対して踏み込んだ理解が必要。それができて初めてアクティブファンドに投資するべきなのです。そして、相撲のタニマチがそうであるように、やはり入れ込み過ぎてはいけません。これは「ひふみ」シリーズでも同様だと思う。わたし自身は「ひふみ投信」を定期的に購入していますが、あくまでサテライトポートフォリオの一部として少額の投資に止めています。「ひふみ」のファンドマネージャーである藤野英人さん自身も常々「投資は、手に汗を握らない程度の少額で始めるべき」と注意を喚起しているのです。

そういった考えからすると、日経新聞で紹介されている「ひふみ」人気の過熱は異常でしょう。これが今後、大きな禍根とならないかが心配。

また、そもそも日本株に投資するアクティブファンドには、いわゆる“3000億円の壁”というものがあります。純資産残高が3000億円を超えてくると、ファンドの機動力が無くなり、流動性に乏しい中小型株への投資が難しくなる。どうしても大型株中心の運用へと変質し、結果的にインデックスに近似するリターンしか得られなくなるという問題です。この問題は既に藤野さん自身も自覚していて、かなり前から対策を研究すると明言していました。

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すでに「ひふみマザーファンド」の純資産残高は1800億円を超えました。現在の人気の過熱状況を考慮すると、3000億円に達するのもそれほど先のことではなさそう。そうした時に、はたして「ひふみ」もまた他のアクティブファンドのように変質してしまうのか。「ひふみ」に資金を投じようとしている人は、そういった問題に対する認識も持っておくべきでしょう。

そして、こうした受益者の疑問に対して、「ひふみ」と藤野さんは誠実に答える義務がある。その点で注目の発言がありました。日経新聞の記事はニュースピックにもピックされているのですが、プロピッカーでもある藤野さんが次のようなコメントを残しています。



いったい何に気づいたのでしょうか。受益者として実に興味があります。ぜひ、しっかりと語って欲しいと思います。

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