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2017年3月30日
「eMAXISバランス(8資産均等型)」の第6期運用報告書を読む―割り切った配分コンセプトは相変わらず面白い
保有している三菱UFJ国際投信のバランス型インデックスファンド「eMAXISバランス(8資産均等型)」の第6期(2016年1月27日~2017年1月26日)の運用報告書が出たので読んでいきたいと思います。なお、私はズボラ者なので、自分が保有しているファンドの運用報告書しか熱心には読みません。「eMAXIS」シリーズ全体の実質コストなどについては、kenzさんはじめ大御所ブロガーにお任せします。
交付運用報告書によると、第6期の基準価額騰落率は+10.4%となりました。ポートフォリオを構成する8資産のマザーファンドそれぞれの騰落率は以下のようになっています。
TOPIXマザーファンド +16.1%
外国株式インデックスマザーファンド +17.0%
新興国株式インデックスマザーファンド +25.4%
日本債券インデックスマザーファンド +1.9%
外国債券インデックスマザーファンド -4.7%
新興国債券インデックスマザーファンド +9.8%
東証REIT指数マザーファンド +13.6%
MUAM G-REITマザーファンド +7.2%
やはり昨年末の“トランプ相場”と円安で8資産中7資産が上昇したことになり、好調な相場環境を反映した結果となりました、「eMAXISバランス(8資産均等型)」は主要8資産全ての状況を確認できるので非常に便利です。なお、期末段階でのファンド純資産残高は205億円となり、順調に増加しています(前期末は160億円)。
運用報告書の1万口当たり費用明細を見ると実質コスト(税込)は以下のようになります。
信託報酬 0.541%
売買委託手数料 0.009%
有価証券取引税 0.008%
その他(保管、監査)費用 0.05%
実質コスト合計 0.608%
前期(第5期)の実質コストが0.617%でしたから、やはり純資産残高の増加に伴って順調に低下しています。一方、ベンチマークとの乖離については、8資産の合成ベンチマークに対して0.2%上方乖離しています。ベンチマークが「配当を含まず」のため、運用精度については簡単に確認できません。今回も分配金がありませんでしたから、配当分が期ごとに上方乖離要因となります。この辺は、やはりベンチマークが「配当含む」の方が分かりやすいと言えるでしょう。
最近はより低コストなインデックスファンドシリーズが次々とローンチされたことで、eMAXISシリーズ全体の純資産残高は横ばいで推移しています。そんな中、比較的に人気を維持しているのが「eMAXISバランス(8資産均等型)」でしょう。やはりバランス型インデックスファンドはコストだけでなく資産配分のコンセプトも評価基準。その意味で8資産均等配分というのは、「どの資産が上がるのか分からないのだから、全部を均等に持ってしまえ」という究極の“割り切り”が面白いわけです。
ただ、「eMAXISバランス(8資産均等型)」が今後も人気が継続するかは分かりません。ここにきてほぼ同じコンセプトの「iFree8資産バランス」が登場しました。こちらは信託報酬が0.23%(税抜)と、「eMAXISバランス(8資産均等型)」のほぼ半分です。しかし、新興国株式マザーファンドのベンチマークが通常のMSCIエマージング・マーケット・インデックスではなく、実質コストが高くなりがちなファンダメンタル・インデックスであるFTSE RAFIエマージング・インデックスとなります。このためベンチマークの好みと合わせて、実質コストの比較も重要になると言えるでしょう。