2017年1月27日

大和証券はiFreeをiDeCo新プランに採用するかも



少し前のニュースですが、大和証券グループとSBIグループが確定拠出年金事業で資本業務提携すると発表しました。

大和証券グループとSBIグループによる確定拠出年金ビジネスにおける資本業務提携契約書の締結について(SBIホールディングス)

大和証券グループ本社がSBIグループの確定拠出年金レコードキーピング(記録関連業務)事業を担っているSBIベネフィット・システムズの株式33.4%を取得するそうです。また、大和証券が個人型確定拠出年金(iDeCo)の新プランを立ち上げ2017年4月から両社で運営を開始するとか。iDeCo分野でやや出遅れ感のあった大和証券がSBIグループと組むというのは、なかなか興味深いものがあります。4月から始まる新プランの内容も気になるところ。もしかしたら商品ラインアップには大和証券投資信託委託の“超”低コストインデックスファンドシリーズ、iFreeを採用するのかもしれません。

大和証券は従来、日本レコード・キーピング・ネットワーク(NRK)をレコードキーピング業者とするiDeCoプランを提供していましたが、新たにSBIベネフィット・システムズと資本提携してまでiDeCo新プランを立ち上げるというのは、やはり並々ならぬ狙いがあると見るべきです。確定拠出年金制度では、レコードキーピング業者に支払う手数料というのがコスト体系の肝ですから(この問題については、いずれブログで考察したいと思います)。

わざわざレコードキーピング業者を変更してまでiDeCoの新プランを立ち上げるわけですから、恐らく大和証券は低コストな新プランを打ちだす可能性が高い。そうなると、運営管理手数料の水準や商品ラインアップによっては有力な選択肢となるかもしれません。今後の動向が要注目です。

とくに商品ライアンアップに関して、やはり気になるのが同じグループの大和証券投資信託委託が設定・運用するiFreeシリーズを採用するかどうかでしょう。この可能性は、かなり高いと思う。iFreeシリーズは業界最低水準の低コストファンドが揃っていますし、流行のロボ・アドバイザーも用意されています。また、すでに「iFree NYダウ・インデックス」がSBI証券のiDeCoプランに採用されていますから、新たに大和証券のiDeCoプランに採用しても不自然ではありません。

iDeCoに採用されることは、大和証券投資信託委託とiFreeシリーズにとっても願ったりかなったりでないでしょうか。iFreeシリーズは業界最低水準の低コストなファンドが揃う良質なシリーズですが、やはりインデックスファンドの分野は先行者利益が大きく、後発のiFreeはやや苦戦気味です。だから純資産残高もなかなか増えていません。

これがiDeCoに採用されれば、これまで以上に純資産残高の成長が見込めます。何しろiDeCoの加入者は60歳まで原則換金ができませんから、安定的な資金流入が期待できるのです。これはファンドの成長にとって極めて有利な条件ですし、すでにiFreeシリーズを保有している人にとっても喜ばしいことでしょう。純資産残高が増えれば、実質コストも低下するだろうし、運用の精度も高まる可能性が高いからです。

それにしても大和証券のような対面型の大手証券会社まで競争に本格参入するところに、証券業界がiDeCoに対してどういった見方をしているのかがうかがえて面白い。恐らく現在の収益の大きな柱である高コストな投資信託の販売などは所詮"焼き畑農業"だということに気付いているのです。だからこそ、たとえ短期的には収益が見込めなくとも、将来的に持続的な収益源となりうる"フロンティア"としてiDeCoを認識しているはず。そして、その判断は多分正しいと思う。だから、今回の大和証券のiDeCo参入強化というのも、日本の証券会社の中でも少しずつものが見える人が増えているのだということをうかがわせるニュースでした。
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