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2016年12月24日

庶民の資産形成にとって「積立投資」は「一括投資」でもある



2016年ももうすぐ終わりですが、今年もコツコツ積立を続けることができました。今年は年前半から冴えない相場が続いていたので、積立投資で入金を続けながらも、なかなか残高が増えずにモヤモヤすることも多かったでしょうが、最後に“トランプ・ラリー”が起こり、結果的にコツコツ投資家にとっては報われた年になりそうです。積立投資は一括投資と比べて別に有利でも何でもないけれども、一括投資に比べて運や才能が無くても実践できる点が庶民の資産形成の方法として有効なのです。なにより庶民にとっての資産形成は現実的に積み立てという方法をとらざるを得ないという側面もあります。そういうことを考えていたら、インデックス投資ブロガー界の“仙人”であるNightWalkerさんが素晴らしい記事を書いてくれていました。

ドルコストはやっぱりオススメです。(NightWalker's Investment Blog)

私が考えていることをほとんど書いてくれているので、とくに付け足すこともありません。こういった考え方に全面的に賛成します。とくに「サラリーマンの蓄財とはそういうものである」というのは、まったくその通り。まさに庶民の資産形成にとって「積立投資」というのは「一括投資」の一形態でもあるのです。

NightWalkerさんはドルコスト平均法による積立投資の効能について「精神安定剤は無料ではない」のだから、その分だけ得とだと指摘しています。これは話の枕に止まらず、なかなか素敵な考え方です。NightWalkerさんが指摘するドルコスト平均法の6つのメリットのうち「リスクを一気に上げないですむ」という点につながるからです。

そして、いちばん素敵だと思うのは、やはり「サラリーマンの蓄財とはそういうものである」という庶民の哲学ともいうべきものがあるとして、次のように指摘しているところです。
ドルコストというのは、
収入があったら一括投資する。
という行為を収入があるたびに繰り返すことなのです。
サラリーマンの収入は、
・毎月
・(あれば)ボーナス
の二つのタイミングです。つまり、
「結果としてドルコストと呼ばれるものになってしまう」
のです。
まさにこの通りで、普通の庶民にとって積立投資とは一括投資の一形態にすぎないのです。そもそも一括投資ができるのは余裕資金を豊富に持っているからです。でも、ほとんどの庶民は日々の生活費に一杯一杯であって、その中から苦労して捻出したわずかの資金を蓄財に回しています。リスクがある投資となると、さらにその蓄財の一部を回すしかないわけです。それを、そのつど一括投資していると考えれば、なるほど積立投資も庶民にとって一括投資と何ら変わらないと言える。

だから、そもそも積立投資と一括投資のどちらが良いのかを悩むことができるのは、余裕資金が豊富にある人に限られている。庶民が一括投資をするために余裕資金を別途貯めるというのは、言うほど現実的ではありません。そんな手間暇のかかることをするぐらいなら、日常の生活費に回してQOL(生活の質)を高めたいと思うのが自然だからです。

ここに積立投資が庶民から支持を集める理由があります。というよりも庶民にとっては積立投資でしかリスク資産に資金を回す余裕がないともいえる。そういう意味で、やはり積立投資には庶民の哲学みたいなものがある。そういう一本筋が通った理解ができれば、それこそ泰然自若として投資を続けることができるのではないでしょうか。

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