2016年11月16日

ニッセイアセットマネジメントの誠実な態度に感心する



<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドとDCニッセイ外国株式インデックスファンドの2016年11月10日の騰落率がベンチマークであるMSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベー ス)から大きく乖離した問題が一部で話題になっていました。私は両ファンドとも保有し、現在も積立購入しているので少し気になっていたのですが、このほどニッセイアセットマネジメントから臨時レポートがでました。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックファンド ベンチマークと運用実績の乖離について(ニッセイアセットマネジメント)
DCニッセイ外国株式インデックスファンド ベンチマークと運用実績の乖離について(同)

恐らくそうだろうと思っていたのですが、やはり原因は為替換算勘定上のテクニカル要因でした。これなら受益者としても納得です。それよりも迅速に臨時レポートを出すニッセイAMの誠実な態度に感心しました。

臨時レポートにあるとおり、ベンチマークとの乖離の原因は、米大統領選挙の影響から10日の資金流入に備えて9日に為替取引を行ったところ、9日の日中にTTM(対顧客直物電信売買相場の仲値)が変更されたことです。つまり、実際の為替取引と基準価額算出時のTTMが異なったということ。これは外貨建て資産に投資する場合、避けて通れない問題なので、私としてはあまり目くじらを立てる必要はないと思います。ベンチマークに対する資産の組入れ比率の差異・変動が抑えられるなら、今回の乖離はあくまで為替換算勘定上の差異ですから、時間が経てばやはり平準化されていくと思うからです。

ところで、なぜこういった問題がニッセイAMのインデックスファンドにだけ起こるのかといえば、恐らくは他のインデックスファンドと比較してマザーファンドの規模が小さいからでしょう。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドとDCニッセイ外国株式インデックスファンドのマザーファンドの純資産残高は、2015年11月段階で508億円とマザーファンドとしては比較的小規模。このため新規流出入資金がマザーファンドの資産全体に占める比率が大きくなってしまう。なので、今回のように新規流入資金に対する為替勘定上の差異がファンド全体の基準価額に大きな影響を及ぼしていると想像できます。だから、マザーファンドが大きくなってくれば、ベンチマークとの連動も安定していくのではと期待しています。

それよりも今回の問題で感心したのは、迅速に臨時レポートを出して受益者に対する説明責任を果たそうとするニッセイAMの誠実な態度です(もちろん、同じマザーファンドに投資するベビーファンドには機関投資家限定ファンドもありますから、機関投資家からの問い合わせがあったのかもしれませんが)。私は、こういうニッセイAMの姿勢を評価します。信託報酬の断続的な引き下げと合わせて、受益者に対してしっかりと向き合っているからです。まだ若いファンドですから、今回のような運用上の課題もあるでしょう。しかし、こういう誠実なファンドは、それこそ受益者としてしっかりと育てていかなければならないと思う。そうすることで、やがてマザーファンドの規模も大きくなり、それによって運用上の課題も少しづつ解消されていくのではないでしょうか。
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※今回の問題に対して、じゅんさんとKenzさんが非常に穏当な分析をしていて参考になります。私も基本的にほぼ同じ考えを持っています。

ニッセイ外国株式インデックスファンドの不審な挙動(投信で手堅くlay-up!)
ニッセイ外国株式インデックスファンド 11月10日のベンチマークとの乖離要因についての臨時レポート(インデックス投資日記@川崎)

【追記】
今回の問題に対して、その後もいろいろな意見が出ていますが、最も的確な分析をしているブロガーは小黒とらさんだと思います。恐らく今回の問題に対する最終解でしょう。

ニッセイアセットの外国株式インデックスの乖離を分析(小黒とらのパーソナルファイナンスと悠々自適な生き方)
補足説明 ニッセイアセットの外国株式インデックスの乖離(同)

私も基本的に小黒とらさんの分析に同意します。マザーファンドの規模がある程度大きくならない限り、オープン型投信という仕組み上、今回のような突発的な為替変動と大きな資金フローが重なったときに、その影響を受けることはやむを得ないのです。そしてこれは、どの運用会社にもあてはまる仕組みの問題であって、個別運用会社の運用巧拙の問題ではないのです。
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