2016年11月15日

松井証券の「投信工房」は注目のサービス―多彩な積立システムに期待大



松井証券が2016年11月28日から投資信託の取り扱いとポートフォリオ提案・積立サービス「投信工房」の提供を開始すると発表しました。

投資信託の取扱開始およびポートフォリオ提案サービス『投信工房』のリリースについて(松井証券)

投信工房 説明資料(松井証券)※吊ら男さんから資料の存在を教えてもらいました。

これが想像していた以上に素晴らしいサービスで驚きました。なにしろ取り扱う投資信託はすべてが低コストインデックスファンド。おまけにロボアドバイザーによるポートフォリオ提案が無料提供され、毎月最低500円からの通常積み立てに加え、「毎日積立」や「リバランス積立」(特許申請中)といった多彩な積立システムが提供されています。松井証券といえばネット証券のパイオニアであり、松井道夫社長は業界の風雲児ですが、あいかわらず素晴らしい剛速球を投げ込んできます。今後、インデックス投資を実践する場合、松井証券の口座を使うというのも有力な選択肢になりそうです。

松井証券はネット証券のパイオニアとして早くから売買手数料の低価格化をリードしてきた存在ですが、長らく米ドルMMF以外は投資信託を扱っていませんでした。それがここにきての再参入です。この辺りの事情をリリースは次のように説明しています。
当社は、90年代末に投信ビジネスから撤退して以降、長らく投資信託を取扱ってきませんでした。撤退の理由は、当時、販売額の2~3%もしていた投資信託の販売手数料を、個人が低コストで資産運用を行えるようにすることを目的として一律 1%に引き下げる方針を発表したところ、 全ての投信運用会社から商品供給が停止してしまったことにあります。しかしながら、最近では、運用会社がインデックス型の投資信託を中心に信託報酬を引き下げる動きが相次いでおり、低コストで資産運用を行える環境が整いつつあります。また、金融庁が顧客本位の業務運営を求める 動きを強めていることなど、投信販売を取り巻く状況は変化してきております。当社は、そうした変化を踏まえ、投資信託の取扱開始とポートフォリオ提案サービス『投信工房』の導入を決定しました。
ちょっと感動的な記述です。かつて投資信託といえば素人をハメ込むボッタクリ商品の代表格のように思われていた時代があり、現在でもそういった側面が非常に強いのですが、松井証券はそういった日本の投資信託ビジネスの在り方に早くからノーを突きつけていたわけです。そして、ようやく時代が松井証券の考え方に追いついた。だからこそ満を持して投資信託ビジネスに再参入したということです。

だから松井証券の投資信託サービス「投信工房」は、すばらしく良心的なサービスになっています。なにしろ取り扱う投資信託のすべてが低コストなノーロード型インデックスファンドなのですから。現在の商品ラインアップは以下のシリーズで構成されています。

i–mizuhoインデックスシリーズ
<購入・換金手数料なし>シリーズ
たわらノーロード
三井住友・DCインデックス
eMAXISシリーズ
SMTインデックスシリーズ
インデックスe

ボッタクリの高コスト投信は一切なし。つまり、何を買っても、どんなポートフォリオを組んでも低コストで投資ができる。しかも、ポートフォリオの作成や見直しには無料でロボアドバイザーが提供されます。これによってモデルポートフォリオの平均信託報酬は税抜0.35%となるそうです。これなら投資初心者でも安心して投資できます。まさに松井証券が看破するように、百凡のラップ口座やラップファンドの息の根を止めるような良心的コスト体系です。

もちろんロボアドバイザーを使わずに自分でポートフォリオ配分を決定することもできます。そして、ここで注目のサービスが「リバランス積立」です。まだ詳細は分かりませんが、発表を読む限りは、設定したポートフォリオ配分にリバランスするために積立額を自動的に変更してくれるサービスのようです。もしこれが実現すると、各資産カテゴリーに投資する個別ファンドでポートフォリオを作りながら、まるでバランスファンドを保有しているような運用が可能になりますから画期的でしょう。しかも特許申請中ですから、同じサービスを他のネット証券が導入するハードルが極めて高くなる(特許料支払いは発生しますから)。松井証券「投信工房」のオンリーワン・サービスになる可能性があります。非常に期待の大きいサービスではないでしょうか。

松井証券「投信工房」の登場で、投資信託の販売会社のビジネスモデルに革命が起こる可能性があります。それは、従来のネット証券が「低コスト商品販売する」という商品政策だったのに対し、松井証券は「低コスト商品しか販売しない」という姿勢を明確にしたからです。こうした姿勢の販売会社が増えれば、運用会社の商品企画政策にも大きな影響を与えるでしょう。なぜなら、高コスト商品の販路の将来性が低下する可能性を秘めるからです。こうした点も踏まえ、松井証券の「投信工房」には大いに注目していきたいと思います。

※松井証券の「投信工房」について、カン・チュンドさんも非常に鋭い分析をしていて参考になりました。

松井証券が89本の投資信託を新規取扱い、(なんと)そのすべてがインデックスファンド!(カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!)

【ご参考】
松井証券の口座はネットから簡単に無料開設できます。⇒松井証券「投信工房」
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