2016年10月23日

資産運用も最後はプロに相談しなければならないときがある



金融リテラシーの高い人の間では、投資や資産運用に関して銀行や証券会社など、いわゆる“プロ”に相談すべきではないというのが常識となっています。これはなぜかというと、個人投資家と接している銀行や証券会社の人は、あくまで金融商品の“販売のプロ”であって、決して運用やファイナンシャルプランニングのプロではないからです。だから、投資や資産運用というのは、どうしても個人投資家が自力で勉強しなければならないし、そうするべきです。しかし、絶対にプロに相談してはいけないのかといえば、そうでもありません。最後にはプロに相談しなければならないときがあると思う。それは、税金の問題です。

私のようなサラリーマンは、普段の税金は基本的に源泉徴収されるのでどうしても税制に対する知識が浅くなりがち。その上、日本の税制は各種控除や特別減税が入り乱れており、しかも税制は毎年のように変更が繰り返されています。とても個人レベルでは完全に把握するのが難しいのです。

昔ならそれでよかったのでしょうが、これからはそうもいかなくなります。というのも、老後の生活に備えるための自助努力のウエートが高まると、税金対策でも自助努力が求めあれるからです。例えば2016年から個人型確定拠出年金(個人型DC、愛称:iDeCo)の加入対象者が拡大され、現役世代のほとんどがiDeCoで老後に向けて資産形成できるわけですが、iDeCoのメリットである拠出金に対する「課税繰り延べ効果」を実現するためには、かなり高度な税務知識が必要なのです。この点は、最近の解説書でもようやく取り上げられていますし、ネットで良質の解説記事も出はじめました。

個人型DC、課税に差が出る受け取り方(NIKKEI STYLE)

しかし、こうした記事や本を読んでも、やっぱり最終的に自分がどうするべきかはすぐに分かりません。なぜなら、税金の問題というのは、各人の収入・資産状況によって最適解が異なるからです。あくまでルールを自分の条件に当てはめて考えるのですが、やはりそれが正しいのか自分では確認もできません。それはあくまで個人の見解だからです。

だから、こういう問題こそ“プロ”に相談するしかない。税金のプロとは、税理士であり、税務署です。いちばん怖いのは、自分勝手な解釈で税務申告し、思わぬ課税を食らうことです。税金の申告漏れは日常的に起こることですが、その理由のほとんどは「見解の相違」です。そして見解の相違を巡って税務当局と争っても、勝てる見込みはほとんどありません。なぜなら、税制などは国の見解がすべてという面があるからです。

こうした問題はiDeCoに限らないでしょう。例えば相続もあります。日本は個人資産の大部分を高齢者が保有しているわけですが、ということは今後十数年に渡って“大相続時代”を迎えるということです。相続資産は現金だけでなく有価証券や不動産など様々な形態が組み合わさっており、しかもそれぞれの課税体系が異なりますから、やはり独学で完全に理解するのは、非常にハードルが高い。

そんなわけで、投資はプロに相談する必要はないけれども、税金はしっかりとプロに相談したいと思う。多少コストがかかってもいい。間違ってもネットでブロガーなんかにメールで問い合わせたりしてはいけないのです。税金のことは、手数料を支払って税理士に相談するか、素直に税務署に相談しましょう。
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