2016年10月22日

私もファンドを乗り換えます―ニッセイアセットマネジメントが<購入・換金手数料なしシリーズ>の信託報酬を引き下げ



一部で観測報道が出ていましたが、このほど正式にニッセイアセットマネジメントが低コストインデックスファンド<購入・換金手数料なしシリーズ>7商品の信託報酬を11月18~22日から引き下げると発表しました。

<購入・換金手数料なし>シリーズ7商品の信託報酬率引下げ(投資信託約款変更)について(ニッセイアセットマネジメント)

これにより、ほとんどの商品が業界最低水準のコストとなります。これは凄いことです。でも、コストが最低水準だから凄いのではありません。昨年に続いて2年連続で既存ファンドの信託報酬を引き下げる形で業界最低水準の信託報酬を実現したニッセイAMと<購入・換金手数料なしシリーズ>の姿勢が凄いのです。この凄さの前では、より低コストなインデックスファンドを新規設定することもかすみます。こうなれば私もいよいよファンドを乗り換えようと思います。

11月から信託報酬が引き下げられる7ファンドと引き下げの内容は以下の通りです。




このうち、<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド以外は現段階で信託報酬が業界最安値となります。また、<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンドも日本国債の10年利回りが1%未満の間は大和証券投資信託委託のiFree日本国債インデックスの方が信託報酬0.14%と安いですが、日本国債の10年利回りが1%を超えるとiFree日本国債インデックスの信託報酬は0.22%となりますので、ある意味では<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンドが業界最安値の信託報酬だと解釈することもできます。

とくに<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの信託報酬0.18%や、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの信託報酬0.2%というのは文句なしの低コスト。TOPIXや先進国株式に誰でも0.2%以下の信託報酬で投資できるなどとは、数年前までは想像もできないことでした。

ただ、今回のニッセイAMの信託報酬引き下げで評価すべきは、業界最低水準のコストを実現したからではありません。それよりも、既存ファンドの信託報酬を引き下げることで業界最低水準のコストを実現したという事実を高く評価すべきです。

ここ数年、インデックスファンドの低コスト化は急速に進みました。しかし、そのほとんどは、より低コストなインデックスファンドシリーズが新規設定される形で実現しています。それはそれで素晴らしいことなのですが、ある意味でいびつな形でもありました。本来なら既存ファンドのコストを引き下げるべきではないか。そうなれば、インデックス投資家も、より低コストなファンドが登場するたびに商品を乗り換える必要はないからです。このことは以前にもブログで指摘しました。
【関連記事】
インデックスファンドの低コスト競争が“本物”になるためにもニッセイアセットマネジメントに期待する

そして今回、ニッセイAMは、本当に“本物の低コスト競争”を追求しているのだということが明らかになりました。これは、どんなに評価しても、評価し過ぎることはないぐらいに素晴らしいことです。ニッセイAMの取り組みによって、インデックスファンドにおける低コスト競争は新たな局面に入りました。それは、もはや低コストなファンドを設定することよりも、既存ファンドの信託報酬を引き下げることで低コストを追求することの方が投資家にとってはるかに価値があるということが明確になったからです。

だから、今度こそ私もファンドを乗り換えます。ニッセイAMの姿勢が本気であると確信しました。これなら今後、新たにより低コストなファンドが登場しても、やはりニッセイAMは<購入・換金手数料なし>シリーズのコストを引き下げることで既存の受益者に対するフィデューシャリーデューティー(受託者責任)を全うしてくれるはずと信じることができるからです。そして、そういったニッセイAMと<購入・換金手数料なしシリーズ>を、一人のインデックス投資家として全力で応援しなければならないと確信したからです。

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