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2016年9月26日

三井住友・DC日本株式インデックスファンドSとiFree TOPIXインデックスのどちらを選べばいいのか



既にいろいろなブログやTwitterで話題になっていますが、三井住友アセットマネジメントの超低コストインデックスファンド、三井住友・DC日本株式インデックスファンドSが一般販売に開放され、SBI証券、楽天証券、マネックス証券で買うことができるようになりました。信託報酬は0.19%(税抜)ですから、大和証券投資信託委託のiFree TOPIXインデックスと並んでTOPIXに投資するインデックスファンドとしては最も低コストな商品となります。TOPIXに信託報酬0.2%程度で投資できるようになるなど、個人投資家にとってありがたい時代になりました。では、TOPIXに連動するインデックスファンドをに投資する場合、三井住友・DC日本株式インデックスファンドSと、iFree TOPIXインデックスのどちらを選べばいいのでしょうか。

三井住友・DC日本株式インデックスファンドSとiFree TOPIXインデックスは、ともにTOPIXに投資するインデックスファンドであり、信託報酬も0.19%(税抜)と同じです。ただ、ベンチマークが微妙に異なります。三井住友・DC日本株式インデックスファンドSのベンチマークがTOPIX(配当込み)であるのに対しiFree TOPIXインデックスのベンチマークは配当を含みません。ですから、まずはどちらのベンチマークに連動するファンドを買いたいのかという点から選べばいいわけです。

ただし、ベンチマークとなるインデックスが「配当込み」がいいのか、「配当除く」がいいのかは一概に判断できません。たしかに「配当除く」の場合、ファンドが分配金を定期的に出さない限りファンドの累積リターンが指数から上方乖離していくため、誤解を招きやすいという批判があります。ただ、逆に「配当込み」をベンチマークにした場合は分配金を出すと指数から下方乖離するため、事実上の無分配ファンドとなります。長期投資の立場からは頻繁に分配金を出さない方が複利効果を最大化できる利点がありますが、無分配でも信託報酬や売買・保管費用など実質コスト分だけ常に累積リターンはインデックスから下方乖離します。だから、この問題は結局のところ好みの問題となり、どちらが良くてどちらが悪いとは言えません。このあたりの問題は、たわら男爵さんが以前から指摘していました。

ベンチマークは、配当込指数と配当除く指数のどちらが良いか(40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ)

それよりも注目すべきは、どちらファンドの方が今後より安定した資金流入が見込めるかという点です。これを左右するのは両ファンドの販路の違いです。iFree TOPIXインデックスの販売会社は2016年9月段階でSBI証券と楽天証券の2社のみ。これに対して三井住友・DC日本株式インデックスファンドSはDC兼用ファンドですから、このほど一般販売が開放されたSBI証券、楽天証券、マネックス証券のほか、確定拠出年金プランの商品として三井住友銀行、楽天証券、SBI証券で販売されます。

確定拠出年金の加入者は原則として60歳まで積立資産を換金できませんから、口座内でのスイッチングなどを除けば三井住友・DC日本株式インデックスファンドSは今後も長期にわたって安定的な資金流入が見込めます。実際に私も現在、SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入していますが、国内株式ファンドの積立商品は三井住友・DC日本株式インデックスファンドSに変更し、すでに積み立てている分もスイッチングする予定です。こうした資金流入による資産残高の成長はファンドの実質コストを引き下げ、さらに繰上償還のリスクを抑えてくれます。

一方、iFree TOPIXインデックスが資金流入を増やすためには販路の拡大が必要ですが、信託報酬が低いがゆえに販売会社の取り分も少なく、ローコストオペレーションが可能なネット専業証券ぐらいしか取り扱うのが難しい。これでは大きな資金流入は見込めません。iFree TOPIXインデックスがこうしたビハインドを跳ね返すためには、さらなる低コスト化を進めるという考え方がありますが、ここまで低廉な信託報酬になるとコスト引き下げ余力もあまりありません。そうなると、それこそiFreeシリーズも一般販売だけでなく確定拠出年金向けやラップ口座向けに販路を広げていくべきなのでしょう(これは案外、ありえる話です)。

こうしたことを考えて私なら三井住友・DC日本株式インデックスファンドSを選びます。ただし、iFree TOPIXインデックスが悪いという意味ではありません。これも素晴らしい商品ですから、十分に選択する意義があります。やはり最後は好みの問題となります。なにより運用会社が健全な競争を続けることで良質なファンドが増え、商品の選択を巡って迷うというのは個人投資家にとって嬉しい悩み。個人投資家にとって幸せな時代になってきているということは確かなのです。

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