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2016年7月11日

インデックス投資ナイト2016を満喫―有意義だった仲間たちとの出会い


(写真提供:くは72さん)

7月9日は東京まで遠征して、はじめて「インデックス投資ナイト」に参加しました。とにかく楽しすぎる一夜。インデックス投信ブロガー座談会と有識者座談会などプログラムの素晴らしさはもちろんのこと、普段はブログやTwitterで交流させていただいている多くの人とオフラインでお会いすることができました。じつに有意義な時間だったわけです。それでレポートをまとめようと思ったのですが、すでに多くのブロガーさんが詳細なレポートを発表していて、当日の様子を余すところなく伝えています。また、さすが実行委員である水瀬ケンイチさんが当日のレポートを発表しているブログを一覧紹介しています。

インデックス投資ナイト2016、盛況のうちに無事終了。たくさんのお客さん、登壇者、会場スタッフ、実行委員のみんなに感謝!(梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー)

ここに紹介されているブログを読めば、当日の熱気や雰囲気を余すところなく理解できるでしょう。本当に面白かったわけです。それで蛇足かもしれないのですが、私も少しばかり印象に残ったことを記録しておきたいと思います。

「第一部 投信ブロガー座談会」―大胸筋ピクピクだけじゃないマスクマンの人間味と誠実さ


第一部の投信ブロガー座談会「インデックス投資を語り尽くす!」は、カン・チュンドさんの司会でゆうきさん、おぱるさん、そして「某インデックス投資ブロガー」が登場。某インデックス投資ブロガーって誰だと思っていたら、バットマンマスクを付けたムキムキの男性がタンクトップに裸足で登場です。その段階で会場の大部分の人が「あっ、あの人だ!」と思ったのですが、自己紹介のマイクを向けられて「ittinと申します」とやったから大爆笑です(すごい楽屋落ちですが)。おまけに座談会中も壇上でなんの脈絡もなく大胸筋をピクピク動かすものだから、それが気になって座談内容に集中できなかったほど。ある意味で第一部の主役は、このマスクマンでした。

でも、マスクマンは大胸筋ピクピクだけではありません。座談会で普通の人にとってももっとも参考になる意見を述べてくれたのもマスクマンでした。きちんとポートフォリオを組んでインデックス投資を実行しても、ついつい相場の動きに合わせていじりたくなる。でも結果はあまり変わらなかったとか、暴落時に嬉しがって追加投資していたら、いちばん美味しいタイミングで玉切れになっていたとか。そういう人間の機微を直視した実感的投資論は、えてして理論に走りやすいインデックス投資の世界で、とても貴重だと思ったのです。インデックス投資に向いているのは「足るを知っている人」というマスクマンの言葉は投資全般に当てはまる至言です。とにかく人間味と誠実さあふれるマスクマンの発言は、大いに勉強になりました。

ゆうきさんはブログのイメージ通りの論理派でしたが、ちょっと感動したのが昨年生まれたお子さん名義のジュニアNISAで「たわらノーロード先進国株式」を1万円だけ購入したというエピソード。子供が18歳になったときに18年間の運用によって1万円がいくらになったのかという結果をプレゼントするそうです。こういう試みは家庭での投資教育として最高ではないでしょうか。じつは私も生まれたときに祖父から関西電力株を1単位株数だけ譲渡されました。だから物心ついたときから自分は株式を保有しているし、株価が上昇しながら配当も毎年振り込まれるということを実感として理解していた。だから「投資は危ない」とか「投資はギャンブルだ」といった偏見から無縁でいられました。だから、インデックスファンドでも個別株でもいいから、子供の時から投資を経験させるというのは、とても重要だと思うのです。

おぱるさんは新婚ホヤホヤです。女性インデックス投資家から絶大な支持を集めるおぱるさんですが、その理由がよくわかる発言が続きました。とくに子供には「お金よりも社会常識を身につけて欲しい」という発言はまたく同感。そうなんですよ、投資以前に社会常識(例えは借金はダメとか、浪費はダメとか)を身につけないと、いくら投資したってかえっておかしなことになる。あと、家族に投資の説明をするときに「年金や税金のイメージから」というアプローチ方法は、とても現実的でした。

座談会の最後で司会のカンさんが投資家の孤独について話題を持っていったのも感心しました。じつは、これこそがインデックス投資ナイトのようなイベントに意味がある理由だからです。投資は自己責任の原則が貫徹する世界ですから、投資家は本質的に孤独なのです。孤独だからこそ仲間が必要。それをまずは家族から広げていくことが大切なのです。その有力なきっかけに確定拠出年金があるというのは重要な指摘です。実際に米国でも401KやIRA(個人退職勘定)の導入によって一気に投資が一般化したという事実があります。その意味で今後、インデックス投資が急速に普及する可能性があります。そのためにも、それこそカンさん指摘するように家族や友人同士で投資についてフランクに話せる雰囲気を作ろことが欠かせないのです。

「第二部 有識者座談会」―今回もヒール役は山崎元さん


第二部の有識者座談会「下がり続ける相場で僕達はどう対応すればいいだろう ~マーケット変動への対処法〜」は、モーニングスターの朝倉智也社長の司会で大江英樹さん、吊ら男さん、山崎元さんが登場。朝倉さんと大江さんがインデックス投資ナイトで壇上に上がるのは初めてではないでしょうか。個人的に朝倉さんと大江さんのファンなのでとても楽しみにしていました。あいかわらず朝倉さんはパリッとしていてカッコいいですし、大江さんはダンディ。吊ら男さんは有識者としての登場というのがスゴイ。お馴染みの山崎さんはすっかりリラックスしています。そして、今回もヒール役は山崎さんでした。

まずはBrexit問題に話題が及びましたが、今後の危機の本丸は欧州の銀行、とくにイタリアの銀行の信用危機だという指摘には同感。個人的にもEUとは現代の神聖ローマ帝国だと思っているのですが、神聖ローマ帝国を悩ましたのは、つねに「イタリア問題」でした。英国とEUの関係は「離婚したけれども付き合いは続く」(山崎さん)という指摘も本質を突いています。

そこからドルコスト平均法の有効性について議題が移るのですが、やはり山崎さんがいつものドルコスト平均法批判をぶち上げます。これに対して大江さんと吊ら男さんが気休めにはなるとの反論をするのですが、山崎さんは「たかだかお金の問題なので、合理的に扱うべき」と指摘します。これは理論的には山崎さんの意見が正しい。しかし、人間は存在自体が合理的ではないので、つねに合理的に振る舞うことの心理的負担を軽く考えてはいけないと思う。そもそも「たかだかお金の問題」という発想自体が、しょせんは他人の金を運用している機関投資家の発想であって、自分のお金を運用している個人投資家は「たかだかお金の問題」と割り切ることなど現実的には不可能です。また、給与などから細々と投資資金を捻出する個人投資家にとっては、好むと好まざるとにかかわらずドルコスト平均法でしか投資できないということも無視できないでしょう。

ただ、こういったことは山崎さんも重々承知のはず。ただ、世の中には「ドルコスト平均法は一括投資よりもリスクが少ない」といった間違った俗説が一部で信じられており、場合によっては金融機関のセールストークにも悪用されているわけですから、それに警鐘を鳴らす意味で山崎さんはあえてヒール役を買って出たのでしょう。バランスファンド批判だって同様です。中身を理解せずに安易にバランスファンドを選択するのはあまり好ましくない。バランスファンドこそ案外と上級者向けの商品なのです。

個人的に興味深かったのが、新興国投資の是非。もともと山崎さんは新興国投資に懐疑的でしたが、今回は「そろそろ買いたい」と発言。朝倉さんはあいかわらず新興国投資に強気。大江さんも確定拠出年金は新興国株式にオーバーウエートだそうです。私は朝倉さんの影響で新興国投資に積極的になった経緯がありますので、ようやく新興国への投資が面白くなってきたのだと感じました。やっぱり投資の大原則は“成長するところにリターンあり”ですよ。

そのほか、アクティブファンのの是非、フィデューシャリー・デューティーやスマートベータ、ロボアドバイザーなど最近の話題に議論が及びました。でも、いちばん大事なのは山崎さんの「人生を運用ごときでどうにかしようと思うな」という発言と大江さんの「無理して投資することはない。投資して亡くなった人はいるけど、投資しなくて死んだ人はいない」という指摘です。これが分かっているか分かっていないかで、人生を誤るかそうでないかの分水嶺になると思います。

有意義だった仲間たちとの出会い


今回のインデックス投資ナイトの楽しさは、イベントだけではありません。じつは東京に遠征したのをいいことに、イベント前に個人凍死家テリーさんとすぱいくさんが幹事を務めるオフ会に参加しました。普段、ブログやTwitterで交流している人たちとオフラインでお会いできるのは、私のような地方在住者にとってはとても有意義なのです。そしてイベント後には会場で2次会があり、ここでも多くの人たちにご挨拶することができました。普段、ブログを読んで感心することが多いのですが、実際にお会いすると、やっぱり素晴らしい人たちばかり。とにかく皆さん、常識ある市民なのです。日本では「投資をしている」というと、なんだか普通ではない人たちだと思われがちなのですが、こうやってごく普通の市民が、コツコツと投資をしているということの社会的意義というのものに思いをはせずにはいられません。

何度も書きますが、とにかく個人投資家というのは孤独な存在になりがち。だからこそ仲間が必要なのです。そういった仲間たちと出会えたことが、今回のインデックス投資ナイトに参加した最大の収穫でした。投資は孤独な営みだけれども、投資家は決して孤独でないということを確認できたからです。

以下は余談です。2次会の後、吊ら男さんの音頭で有志による3次会がありました。山崎さんのほかASKさん、タカちゃんさん、バカオヤヂさん、安房さん、ほか1人(ブログもTwitterもやっていない人なので名前は書きません)で新橋の居酒屋でたっぷりとオフレコトークを楽しみました。その後、さらに4次会でカラオケに突入。山崎さんは翌日に北海道で選挙特番へ出演予定だったのですが、いちばん積極的にカラオケにに行こうとします。それで西野カナや華原朋美を熱唱。面白すぎます。この頃には全員、新橋で飲んだワイン(投資家の飲み会はやっぱりワインなのだ)のせいもあって、すっかり酔っ払い集団に。ひさしぶりにバカ騒ぎしました。

でも、私にとっては全員が初対面なのです。でも、まったく初対面という感じがせず。これもブログやTwitterで普段から交流しているからです。こうやって初対面でも打ち解けることができるだけでも、やっぱりブログを書いててよかったと思う。吊ら男さん、ASKさん、タカちゃんさん、バカオヤヂさん、安房さん、大阪に来ることがあったら、次は大阪でやりましょう。とくに安房くん、カラオケではもっと自分をさらけ出せ! そうすれば君は、サラリーマンとしてさらに一皮むけるぞ。

最後に、こんな素晴らしイベントをボランティアで続けている実行委員の皆さんには心からお礼が言いたいです。大変だとは思いますが、今後もぜひイベントを続けて欲しいです。そのために、できることがあれば私も協力もしたいという気持ちになりました。本当にご苦労様。そして、ありがとうございました。

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