2016年6月3日

ニッセイアセットマネジメントがフィデューシャリー・デューティー宣言を出していました



以前にこのブログでニッセイアセットマネジメントがフィデューシャリー・デューティー宣言を用意しているということを紹介しました(ニッセイアセットマネジメントがフィデューシャリー・デューティー宣言を準備しているそうです)。うかつにも見逃していたのですが、5月18日にフィデューシャリー宣言を公式に発表していました。

「フィデューシャリー・デューティー宣言」および「アドバイザリー・コミッティ」、「フィデューシャリー・デューティー委員会」について(ニッセイアセットマネジメント)

低コストなインデックスファンドの設定や信託報酬引き下げなど良心的な運用姿勢が目立つニッセイAMですが、こうやってフィデューシャリー・デューティーを公式に宣言するというのはとても良いことです。

ニッセイAMの宣言を読むと、比較的簡潔な記述になっているのが特徴でしょう。それでも手数料の合理性という問題に対しては、きちんと「お客様にご提供する運用、サービス応じた手数料水準を設定します」と明記しているところが評価できます。

フィデューシャリー・デューティーは努力義務ではなく行動規範ですから、「実行したか、実行できなかったか」ということでのみで評価される。その点、ニッセイAMはこれまでも低コストインデックスファンドである<購入・換金手数料なし>シリーズの設定や信託報酬引き下げなど画期的な行動を実行してきましたので、今回の宣言を機に、こういった実行をさらに追求してほしいものです。

また、宣言に合わせて「アドバイザリー・コミッティ」と「フィデューシャリー・デューティー委員会」を設置するというのもいいことです。実際に宣言に基づく行動として何が可能なのか、あるいはそれを実行できているのかをできるだけ中立的な立場で評価してもらおうという姿勢に好感を持ちます。

フィデューシャリー・デューティーを正式に宣言する金融機関・運用会社がどんどんと増えてきました。この調子でフィデューシャリー・デューティーの意義についての理解が金融機関・運用会社だけでなく、個人投資家・受益者の間でも進めばと思います。そうすれば、普通の庶民が感じている“投資は胡散臭いもの”という日本の運用業界に対する寂しい評価を少しでも改善するきっかけになると思うのです。

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