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2016年4月5日

春闘もコツコツ派ですーサラリーマンは給料を増やすことが最大の投資



私は従業員50人以下の零細企業に勤めているのですが、ありがたいことに労働組合があります。そんなわけで今年も春闘を戦ってきました。この労使交渉で4月からの給料が増えるかどうかが決まるのですから、いつも組合活動には全力を挙げています。今年も交渉は難航したのですが、なんとかわずかながらのベースアップを勝ち取ることができました。ほんとにわずかな金額ですが、決してバカにしてはいけません。サラリーマンにとっては毎月の給料こそが資産形成の最大エンジン。わずかでも給料を増やすことが最大の投資です。だから春闘もコツコツ派でいいから、すこしでも賃上げを勝ち取ることがとても大切なのです。

昨年まで3年間、労働組合の執行委員長をやっていたのですが、今年は委員長を後輩に引き継ぎ、私自身は副委員長の立場で春闘に臨みました。私が委員長時代から組合活動の大方針は「経済闘争重視」であり、とにかく賃金の引き上げを重点課題として取り組んできました。おかげさまで他労組の幹部からは「あそこの委員長は銭ゲバだからな」といったありがたい陰口もいただいております。

しかし、サラリーマンも労働者ですから、賃金の引き上げを求めなくて何を求めるというのでしょうか。もちろん私も馬鹿ではないので、会社の支払い原資の実態は把握しています。その上で最大限の労働分配を求めるのは当然のことでしょう。とくに中小零細企業の場合、労働者側が相当に厳しい姿勢で、しかも精密な論理構成で交渉の臨まなければ、大変な搾取に直面する危険性があります。それに、組合が真摯な姿勢で交渉に臨めば、会社側もむげにはできません。結局、企業と組合は鏡に映った互いの姿なのです。

そんなわけで現在の委員長も経済闘争重視という基本方針を受け継いでくれました。あいかわらず会社の業績は冴えず、今年も厳しい交渉でした。しかし、何度かの交渉を経て最終的に前年と同額のベースアップを勝ち取りました。その額なんと150円です(もちろん、ベア以外に定昇分が別途あります)。

たった150円と笑うことなかれ。基本給のベースアップというのはボーナスと違い、いったん上がれば労使の合意なしに引き下げることができません。そして、これが退職金の算定基準にも組み込まれています。だから、たとえ小さな額でも生涯賃金に及ぼす影響は無視できないのです。だから、コツコツでいいから少しづつでも引き上げる努力を労働者は怠ってはいけない。

インデックス投資をしている人なら常識でしょうが、個人投資家にとって資産形成の最大のエンジンは本業からの収入です。サラリーマンの場合なら毎月の給料。これが細ると、どんなに投資を頑張っても、おそらく普通の人では挽回不可能でしょう。だから個人投資家は、投資以上に本業の収入を増やす努力をしなけならないわけで、そのためには自己投資も大切です。そして、それと同様に労働運動によって資本主義が生み出す剰余価値の分配を求めることが大切。だから、組合活動をバカにしてはいけない。まえにも書いたけれども、投資はほったらかしでいいですが、仕事と労働運動はほったらかしではいけないということです。

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