2016年2月10日

iTrust世界株式にそそられる理由-「iInfo」がとても気になる



前回に続いてピクテ投信投資顧問が新規設定する低コストなアクティブファンド、iTrustについてのエントリーです。基本的に新規設定のアクティブファンドは買ってはいけないというのは常識なのですが、なんだかみょうに気になるファンドです。とくにiTrrust世界株式にそそられます。なぜそんなにそそられるのか。じつはファンドの運用成績への期待ではなく、付加サービスである「iInfo」がとても気になるのです。

私はiTrustシリーズに関して、低コストなアクティブファンドを提供するというピクテ投信の野心的な取り組みを大いに評価する一方、これまで新規設定のアクティブファンドは買ってはいけないとブログで再三指摘してきました。まずファンドの中身が分からないことと、過去の運用実績がないことから実力を推しはかることができないからです。

ただ、iTrust世界株式はファミリーファンド方式で運用するファンドですから、マザーファンドであるピクテ・メジャー・プレイヤーズ・マザーファンドに投資する別のベビーファンドがあれば、ポートフォリオの中身や過去の運用実績を知ることができます。そこで昨日、ピクテ投信に直接電話で問い合わせたところ、すでに運用しているピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンド(3ヵ月決算型)が、同じマザーファンドで運用する商品だということを教えてもらいました。

ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンドの目論見書や運用報告書を見ると、じつはそれほど魅力的とは思えませんでした。基本的に先進国を中心とした大型株ファンドといった感じで、肝心の運用成績も参考指数(ベンチマークはありません)であるMSCI世界株価指数に対して若干アウトパフォームしていますが、だからといって特段に優れた成績というわけでもありません。もっとも、ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンドの信託報酬(税抜)が年1.5%と高コストであるのに対し、iTrust世界株式は年0.89%ですから、ほぼ半額となっていることは評価できますし、このコスト差が運用成績にどれだけ影響するかということは興味があります。

そう考えると、iTrust世界株式はコストの安さこそ非常に評価できるのですが、商品自体にそれほど魅力があるのかといえば、やはり微妙なところです。にもかかわらず、みょうにそそられる。なぜかというと、受益者に対して積極的な情報提供を行う「iInfo」というサービスが用意されているからです。

iInfoは、受益者がピクテ投信の専用フォームに登録することで、専門スタッフに直接質問できたり、ファンド情報の配信を受けたりできるサービスですが、とくにおもしろいと持ったのが、機関投資家向けレポート「Barometer」や、ピクテの今後5年間の投資指針を示す長期戦略レポート「Secular Outlook」も受益者に提供するとしたこと。ちなみに、これもピクテ投信に直接問い合わせたのですが、これまで個人投資家に機関投資家向けレポートや長期戦略レポートを提供することは原則として行っていなかったとのことです。

このほか、投資教育プログラム「BASE(オンライン・スタディ)」の提供やセミナーもするそうです。こうしたことを考えると、じつはiTrustの最大の特徴はコストの安さにだけでなく、iInfoのサービスにあるのでは。つまり、運用会社として初めて個人投資家と機関投資家を平等に扱い、情報提供するという姿勢を明確にしたことです。私は、ここに大変な魅力を感じます。

とにかく日本の運用業界というのは個人投資家に対する扱いがひどく、その象徴が高コストなぼったくり商品をハメ込み販売することでした。その一方で機関投資家には低コストな商品を提供し、特別な情報の提供も当たり前のように行ってきた。そんな差別的な行為がまかり通ってきたなかで、iTrustは初めて個人投資家と機関投資家を平等に扱うアクティブファンドとして登場したともいえるわけで、やはりそれは日本の運用業界にとってメルクマールとなるような出来事に感じられてなりません。

こうした理由から、やっぱりiTrust世界株式にそそられる。投資効率の面からは合理的ではありませんが、iInfoのサービスを享受するために、ほんの少額だけiTrust世界株式を購入してみようかという誘惑にかられています。

【ご参考】
iTrustシリーズについては、m@(エムアット)さんが詳細な紹介をブログで発表しています。とても勉強になります。

アクティブファンドにも黒船がやってきた?ピクテから低コストアクティブファンド「iTrust」シリーズが登場("いい投資"探検日誌 from 新所沢)
ピクテのiTrust世界株式がほぼピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンドだとわかったので調べてみました(同上)

【追記】
結局、SBI証券でちょっとだけiTrust世界株式を購入申し込みしてしまいました。当然、iInfoのも登録しました。どんなサービスが提供されるのか楽しみです。
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