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2016年2月26日
世界経済インデックスファンドの第7期運用報告書を読む
私が積立投資のコア商品として愛用しているバランス型インデックスファンド、世界経済インデックスファンドの第7期(2015年1月21日~2016年1月20日)の運用報告書がこのほどアップされました。投資信託を購入・保有する場合、最低でも目論見書と運用報告書に目を通すことは大切なことです。今回もしっかりと運用成績や実質コストを確認してみようと思います。
世界経済インデックスファンドは、三井住友トラスト・アセットマネジメントが設定・運用するバランス型インデックスファンドであり、信託報酬は年0.5%(税抜)と低廉な良心的ファンドのひとつです。株式50%・債券50%で構成するポートフォリオは、日本、先進国、新興国をそれぞれGDP比率で配分するというコンセプトが非常に面白い。1本で文字通り世界経済全体に投資し、その動きに連動しようというファンドです。現在、ポートフォリオの配分は以下のようになっています。なお、マザーファンドはSMTシリーズと同じです。
交付運用報告書を基に第7期の運用成績を確認します。騰落率は-11.0%となりました。各アセットカテゴリーの騰落率は以下のようにないます。
国内債券 +0.6%
国内株式 -2.3%
先進国債券 -4.0%
先進国株式 -8.5%
新興国債券 -18.5%
新興国株式 -23.3%
運用報告書にあるように、年前半は好調な運用成績となっていましたが、後半からギリシャ問題、チャイナショック、原油安など世界経済は問題続出となり、国内債券以外はいずれも大幅な下落に見舞われました。とくに新興国の落ち込みがいかに大きかったかも、世界経済インデックスファンドの運用成績を見るとよくわかります。
一方、運用の実質コストは以下のようになりました。
信託報酬 0.54%
売買委託手数料 0.008%
有価証券取引税 0.007%
その他費用 0.082%
実質コスト合計 0.637%
これは信託報酬に消費税が含まれていますので、税抜の実質コストは0.59%となります。ちなみに前年である第6期(2014年1月21日~2015年1月20日)の税抜実質コストは0.65%でしたから、前年実績から低下しました。純資産残高は162億円となり、こちらは前年の103億円から大きく増加しています。売買委託手数料やその他費用(保管費用、監査費用)は純資産残高が大きくなるにつれて相対的にコスト負担が低下していきますので、純資産の増加によって運用経費が効率化されているということです。
世界経済インデックスファンドは、実質コストが割高になりやすい新興国株式・債券を35%含んでいるのですが、それでも全体の実質コストが0.5%台にまで低下しているというのは非常に優秀だといっていいでしょう。騰落率は現在の世界経済の状況を反映して残念な結果となりましたが、これもまた世界経済とともに自分の資産を成長させるという国際分散インデックス投資の面白味です。引き続き私の積立投資のコア商品として愛用していきたいと思います。
【参考】
世界経済インデックスファンドは姉妹商品として株式70%・債券30%で構成する世界経済インデックスファンド(株式シフト型)と、株式30%・債券70%の世界経済インデックスファンド(債券シフト型)があります。それぞれのリスク許容度や好みによっては、これらファンドも非常に良心的な商品です。