先日、20代の女性同僚と雑談をしてたら、彼女の方から「ちょっと投資に興味があるんだけど、銀行とかに相談に行けばいいのかな」と言われました。そこで「銀行に相談するのはお勧めしない。投資するならネット証券を使うべき」と言ったのですが、すぐさま後悔することに。以下が、そのときの彼女(仮にAさんとしておきます)とのやりとりです。
Aさん「ネット証券とかって難しそう」
私「でも銀行だと買える商品に限りがあるよ。ネット証券なら低コストな投資信託があるし、株を買うときの手数料も安いよ」
Aさん「でも、そもそも投資ってどうやったらいいのか、何を買ったらいいかも分からないし」
私「だから投資する前に、少し自分で勉強することが必要で・・・」
Aさん「え~、勉強なんかしたくないよ。なんかこう、お任せですべてやってもらえるような方法ないの~」
私「・・・」
銀行員ならここですかさず「そういう人のためにラップ口座やラップファンドというものがありまして」となるところでしょう。これが世の中の現実なのかと思って、ちょっと絶望的な気分になりました。このときは最終的に「投資する前に、まずは貯金を増やさいとね。毎月一定額を貯金する習慣を作ることが大事じゃないかな」といってあげました。ようするに、まだ彼女は投資するような段階にないのです。なにより「勉強したくない」といっているようでは、絶対に投資なんかするべきではありません。
私は、投資するためにはある程度勉強する必要があると考えています。それはなにも難しい金融理論や投資理論を勉強することではありません。もっと常識的な、例えば「投資はリスク許容度の範囲内でやる」「分散する」「コストに注意する」「理解できないものには投資しない」といったレベルのことを理解するための勉強です。これはいわば自動車を運転するためには、交通ルールを理解しないといけないというぐらいのレベルです。それすら「勉強したくない」という人は、投資なんかしないほうがいい。いずれ大事故に遭いますから。
それで例のAさんですが、「じゃあ、簡単に勉強するにはどうしたらいい?」と聞いてきたので、まずは山崎元さんの全面改訂 超簡単 お金の運用術 (朝日新書)を読むことを薦めておきました。「新書なら読めそう!」と言っていたので、ひと安心です。まずは資産運用に関する「常識」を理解してから、投資を実行すればいいわけですから。
ところで、Aさんは別に馬鹿ではありません。けっこう偏差値の高い大学を卒業して、総合職として働いている女性です。それでも投資に関しては、この程度のレベル。結局、日本ではまともな投資教育がなされていないからでしょう。とはいえ「投資の勉強なんかしたくない」という感覚自体を否定してはいけないとも思いました。それはそうで、べつに投資なんかしなくて済むなら、それにこしたことないわけですから。投資の勉強をするぐらいなら、もっと他の勉強をするべきというのも一理あるわけです。
それでも投資したい人には何を薦める?
では、投資に関して最低限の常識を身につけた上で、それ以上は勉強したくない人が投資をするのはどうしたらいいのでしょうか。例えばAさんに具体的な金融商品を薦めるとすれば、なにがいいのかケーススタディーしてみました。
まず、個別株投資は無理でしょうから、やっぱり投資信託、とくに国際分散投資するインデックスファンドを積み立てる方法を薦めます。どの商品を選ぶか。アセットアロケーションを自分で考えるのも難しそうですから、パランス型インデックスファンド1本と個人向け国債や定期預金など元本保証商品の組み合わせで全体のリスク量をコントロールするのが簡単そうです。
最近では低コストで良質なバランス型インデックスファンドがたくさんありますが、「投資について余計な勉強はしたくない」と考える人には、セゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドをお薦めします。なぜかというと、他の低コストなバランス型インデックスファンドと比較して情報発信のレベルがまったく異なるからです。
極めて低コストなバランス型インデックスファンドが登場する中、たしかにセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの信託報酬に割安さはなくなりました。しかし、直販投信ならではの強みで、受益者に対して積極的な情報発信をしています。サイトを見れば、丁寧な運用レポートが文章と動画で用意されており、中野晴啓社長名義のニュースレターやメッセージも多数用意されています。セミナーも全国各地で開催しています。
私は、こういった情報発信をとても重視します。なぜなら投資とは孤独な作業だから。ましてや投資について詳しくない人は、ちょっとした相場の変動でも不安になりがちです。だから、いつも運用会社からの丁寧な情報発信は貴重です。投資について余計な勉強をしたくない人は、たまにセゾン投信のサイトをのぞいて運用レポートを読んだり、動画を見たり、中野社長からのメッセージを読むぐらいでちょうどいい。時間があればセミナーに参加しても面白いでしょう。恐らく安心して投資を続けることができると思います。
するとなかには、だんだんと投資の勉強に対して興味がわいてくる人もでてくるかもしれません。それは「勉強したくない」という段階から卒業するということです。そこで初めて勉強を開始すればいい。そこから自分の投資スタイルについて研究する端緒が生まれる。場合によってはセゾン投信の商品が物足りなくなるかもしれません。でも、自分でしっかりと勉強したうえでの結論なら、セゾン投信を卒業して改めて自分が選択した商品に乗り換えてもいいのです。
でも、しっかりと勉強するとセゾン投信の別の魅力が見えてくるでしょうから、案外と乗り換える人は少ないかも。こういった点も含めて、投資についてあまり勉強したくない人にひとつだけ商品を薦めるならば、私はセゾン投信を選びます。
【ご参考】
セゾン投信は銀行や証券会社といった販売会社を通さない直販ファンドです。ネットから無料で口座を開設することができます。⇒セゾン投信