2016年1月22日

安心してください、マイナス転落しました-2016年1月の個人型確定拠出年金積立と運用成績



2016年が始まったと思ったら、相場の方はダダ下がりです。リスク資産が含み損状態となっている人も多いことでしょう。そんな中、1月の個人型確定拠出年金の積立が淡々と行われました(2015年12月拠出分)。安心してください、下がってます。拠出開始来の運用利回りは年利換算マイナス2.07%となりました(1月22日段階)。個人型確定拠出年金に加入して約3年経ったのですが、3年間に積み上げた含み益は、この1カ月ですべてなくなりました。ただ、ちょっと安心しています。というのも、確定拠出年金は積立投資をしている間に収益がマイナスになる状態がないと困るからです。考えようによっては、いまから確定拠出年金に加入しようと考えている人にとっては絶好のエントリーポイントなのかもしれません。

現在、個人型確定拠出年金口座で積立投資しているファンドは、以下の通りです(拠出額は毎月23,000円)。

【個人型確定拠出年金(琉球銀行)】
野村DC国内債券インデックスファンド・NOMURA-BPI総合
(信託報酬:税抜0.16%、信託財産留保額なし)
野村DC外国債券インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.21%、信託財産留保額なし)
野村新興国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)
(信託報酬:税抜0.55%、信託財産留保額なし)
野村DC国内株式インデックスファンド・TOPIX
(信託報酬:税抜0.19%、信託財産留保額なし)
野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI
(信託報酬:税抜0.22%、信託財産留保額なし)
野村新興国株式インデックスファンド(確定拠出年金向け)
(信託報酬:税抜0.56%、信託財産留保額なし)
野村世界REITインデックスファンド(確定拠出年金向け)
(信託報酬:税抜0.53%、信託財産留保額なし)

とくに下落が酷いのが新興国株式インデックスファンド。評価損益はマイナス17%を超えました。また、先進国株式インデックスファンドもマイナス転落です。国内株式インデックスファンドも含み益がほぼゼロになっているので、まもなくマイナス圏に突入するでしょう。一方、国内債券、先進国債券、そして新興国債券、先進国REITは現在でも含み益となっていますから、やはり国際分散したポートフォリオはリスクを抑えるのに効果的だったということが分かります。

しかし、2015年12月までの運用成績は拠出開始来で年利換算4.38%となっていましたから、年明けからの下落がいかにきつかったか。3年間のリターンをすべて吹き飛ばしてしまいました。ここが長期投資の難しいところ。利益を上げるのに必要な時間と、失う時間がまったく非対称的なので、慣れないと精神的にしんどいのです。

ただ、拠出開始来の運用成績がマイナス転落したことで、ちょっと安心しています。というのも確定拠出年金はというのは毎月一定額を拠出する積立投資ですから、積立期間中に運用成績がマイナスになっている時期がないと困る。それがないとドルコスト平均法による積立投資のうま味がないのです。なぜなら、相場が下落して含み損になっている状態で積立してこそ、より多くの口数を買うことができ、平均買付価格を低下させることができるから。口数を増やして、平均買付価格を引き下げてこそ、相場が回復したときのリターンが大きくなるのです。ここに積立投資の面白さがある。このあたりの仕組みについては、星野泰平さんの終わりで大きく儲かる「つみたて投資」 (講談社+α新書)が非常に参考になります。



ましてや確定拠出年金は60歳になるまで換金できませんので、極論すれば含み損になっている期間が長ければ長いほどいいという考え方も可能です。どうせ換金できないので、現段階で含み損があろうがなかろうが、どうでもいいように感じることができるのも投資を継続する上で役に立ちます。そんなわけで、しばらくは口数を増やして平均買付価格を引き下げるチャンスと考えて積立投資を楽しみたいと思います。

そう考えると、これから新たに確定拠出年金に加入しようと考えている人にとって、しばらくは安く買付けできる可能性があるので、現在は絶好のエントリーポイントなのかもしれません。積立投資といえども、相場がピークのように思える段階で参入するのは心理的に良いものではありませんから(ただし、積立を継続しているとタイミングはまったく関係なくなります。あくまで心理的な問題です)。

【追記】
個人型確定拠出年金は、国の制度であり、掛金全額が所得控除されるため課税繰り延べ効果による節税メリットが大きいなど資産形成にとって有力な選択肢のひとつです。ただ、金融機関によって手数料や運用商品のコストとラインアップがまったく異なりますので、どの金融機関で加入するのかという選択が重要になります。私は琉球銀行で個人型確定拠出年金を拠出していますが、現在はSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券のiDeCoプランがいずれも運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえています。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランも研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

また、個人型確定拠出年金については竹川美奈子さんの金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術と岡本和久さんの自分でやさしく殖やせる 「確定拠出年金」最良の運用術が非常に参考になります。関心のある方は、こちらも一読をお薦めします。

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