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2015年12月8日

中小型株が値を戻す-ひふみ投信の2015年11月運用成績



現在保有しているひふみ投信の11月次運用レポートが出ました。ひふみ投信の11月の騰落率は+5.84%、参考指数であるTOPIX(配当込)の騰落率は+1.42%でした。前月は参考指数に対して大きくアンダーパフォームしましたが、11月は再びTOPIX(配当込)を大きくアウトパフォームしています。前月はどちらかというと大型株を中心に株価が回復しましたが、11月に入ってからは、ひふみ投信が主力に組み込んでいる中小型株も値を戻したということになります。11月30日段階での純資産残高は280.26億円(前月は257.92億円)、受益権総口数は8,228,878,784口(前月は8,014,883,862口)となり、いずれも順調に伸びています。

11月の株式相場は、前月に引き続いて回復傾向にありましたが、パリ同時テロやトルコによるロシア軍機撃墜など地政学的リスクもあって、上値は重い展開でした。こうした状況で、ひふみ投信は次のような運用を行ったそうです。
相場の戻り局面で大きく上昇した大型株の投資比率を下げ、今後の成長が期待される中小型銘柄に投資を行なうとともに、一部を(価格変動がない)現金資産として残すことで上昇相場の反動による下落リスクから資産を守る対応を行ないました。
こうした戦略が、一応は奏功したようです。また、大型株が伸び悩む中、ひふみ投信が得意とする中小型株への循環物色が進み、値を戻したこともTOPIX(配当込)を大きく上回る運用成績につながったようです。そのほか、「足元のデフレ圧力の高まりを懸念し、ポートフォリオの一部をしまむら(8227)などデフレ環境下でも業績の成長が期待出来る銘柄にシフトしました」というのも、なかなか考えさせられる動きです。

今後の運用については、米国の利上げなどが相場の攪乱要因となるかが気になるところ。このため次のような運用戦略をとるとしています。
今後は、これらの当局の金融政策の動向を見極めながら、市場の動向に従った俊敏な対応が必要であると考えております。そして、日米のクリスマス商戦の行方に占われる消費動向、日本の民間設備投資動向、景気ウォッチャー調査、そして当社のアナリストによる会社訪問によるヒアリングなどを考慮して、私たちの強みである「守りながらふやす」運用につとめていきたいと考えています。
2016年は、円安の進展よりは円高に転じる可能性を見据えて、TOPIX(東証株価指数)などの株価指数は上昇が見込みにくい展開になることを予想しています。そのような環境においては、独自の成長エンジンを持っている会社が強みを発揮し、結果的にそのような会社への投資が報われる展開になってくると考えております。
どうも2016年は、これまでのような一本調子の上げ相場は続きそうにないというのが運用責任者の見立てです。なんだかんだ言いながら2012年から日本株は上昇を続けてきたわけですから、そろそろ本格的な調整があってもおかしくありません。少なくとも、買えばだれでも儲かるという相場は終わりを迎えそうというのは、個人的な相場観とも一致します。ある意味で、これからがファンドの腕の見せ所なのかもしれません。

先だって発表されていた中間運用レポート恒例の組み入れ銘柄紹介ですが、今回はサトーホールディングス(6287)でした。バーコードラベル、プリンタ、スキャナーなどの自動認識関連機器・ソリューションのメーカーです。これまた渋い銘柄。たしかに自動認識ツールは、これから予想される人手不足の深刻化といった課題に対して、ひとつの解決策として需要が拡大する可能性があります。欧州では「インダストリー4.0」が提唱されるように、IoTの流れも加速するでしょうから、そういった革新を支える部材・ソリューションを提供している企業というのは面白いかもしれません。

※ひふみ投信は、銀行や証券会社といった販売会社を通さない直販ファンドです。ネットから無料で口座を開設することができます。⇒ひふみ投信

※ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する「ひふみプラス」はSBI証券 、カブドットコム証券、楽天証券、マネックス証券など主要ネット証券や地方銀行などで買うことができます。

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