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2015年10月3日

個性的なETFが増えることはいいことだ-「iシェアーズ」のETF4銘柄が新規上場へ

ブラックロックが「iシェアーズ」ブランドのETFとして新たに4銘柄を東京証券取引所に上場させると発表しました。

ETFのトップ・ブランド「iシェアーズ®」が国内初の最小分散ETFなど日本株を投資対象とするETF4銘柄を東証に同時上場予定(ブラックロック)

上場予定日は10月20日です。今回の新規上場ETFには、MSCI日本株最小分散インデックスに連動するものも含まれており、流行の「スマートベータ指数」を意識したラインナップとなっています。スマートベータがどこまで有効なのは意見の分かれるところですが、個人投資家としては選択肢が増えることは大歓迎です。

今回、新規上場する4銘柄は以下の通りです(信託報酬は税抜)。
iシェアーズ TOPIX ETF(1475)
〔対象指数:TOPIX 信託報酬:0.025%※平成28年8月10日以降は0.06%〕
iシェアーズ Jリート ETF(1476)
〔対象指数:東証REIT指数 信託報酬:0.16%〕
iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF(1477)
〔対象指数:MSCI日本株最小分散インデックス 信託報酬:0.19%〕
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478)
〔対象指数:MSCIジャパン高配当利回りインデックス 信託報酬:0.19%〕
このなかで、やはり興味を引くのはMSCI日本株最少分散ETFでしょうか。ブラックロックの説明によると最少分散インデックスとは以下のようなものです。
業種・ファクター・銘柄間の相関を考慮し、ポートフォリオを最適化することでリスク(価格変動)を最小限にすることを目指します。過去10年、市場の変動性が比較的高かった期間もありましたが、当ETFが連動を目指すMSCI最小分散インデックスはそのリスク抑制を目指す設計が功を奏し、2005年9月末~2015年8月末の指数のパフォーマンスは日本株の市場平均と比較して約4割上回りました。
最少分散ポートフォリオとは、ポートフォリオ理論におけるリターンとリスクの関係がもっとも最適になる効率的フロンティアのうちでリスクが最少となるポートフォリオ構成を指します。少し古い論考ですが、以下の解説を参照してください。

視点 最少分散ポートフォリオ(三菱UFJ信託銀行)

こういったディフェンシブなインデックスに気軽に投資できるのですから、リスクを抑えながらも株式に投資したいと考えている一部の投資家にとっては有力な選択肢となるETFかもしれません。

TOPIX連動のETFも信託報酬が0.025%と安いのが魅力です。TOPIX連動の既存ETFでは、MAXISトピックス上場投信が0.078%と最安値だったのですが、iシェアーズはこれを大幅に下回ります。ただ、平成28年8月10日までの期間限定引き下げというのはケチ臭い。まずは圧倒的なコスト差で資産残高と出来高を確保しようという戦略なのでしょうが、どうせなら思い切って恒久的に引き下げればいいのにと思ってしまいます。

とはいえ、世界有数の運用会社であるブラックロックの意気込みは伝わってくるラインナップですし、個人投資家としても個性的なETFが増え、選択肢が増すことは大歓迎。そんなわけで今後の展開を期待してwatchしていきたいと思います。

※ETF投資については、以下の書籍が参考になります。




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