(インドネシア・ジャカルタ)
私は新興国投資が好きで、とくに東南アジア株式などに比較的ウエートを置いたポートフォリオを組んでいます。ところが昨今のチャイナショックに端を発する世界同時株安で、とくに新興国株式がガタガタの運用成績になってしまいました。なんとなく「しばらくは新興国への投資はダメだ」といった意見も散見されるわけですが、やはり誰もが買わないときに買うのが投資の神髄とも言えます。米フランクリン・テンプルトンのマイケル・ハッセンスタブ氏によると、いまは新興国に対する「数十年に一度の投資機会が訪れている」のだそうです。
「数十年に一度」の投資機会が新興市場に到来-米テンプルトン(ブルームバーグ)
この逆張り戦略が果たして成功するのかどうかわかりませんが、新興国への投資を続けている立場からすると、なかなか気になる見解です。
ハッセンスタブ氏によると、現在のように新興国の通貨が大きく下落している状態は、バリュエーションの上で非常な割安だとして次のように指摘しています。
「バリュエーション(評価)を見れば10年に一度ではなく、数十年に一度しか訪れない非常に割安な資産を買う好機だ」と説明。「われわれは全てを買っているわけではない」としながらも、「ダイヤモンドの原石だとわれわれが考える混乱に巻き込まれた一握りの資産が存在する」と述べた。「10年に一度」ではなく、「数十年に一度」しか訪れない投資チャンスというのはすごいですね。ここで新興国市場に踏みとどまるかどうかで将来のリターンが大きく変わってくるかもしれません。もっとも、新興国ならすべてオッケーというわけではないというのが、さすがプロの視線です。
同氏はメキシコ・ペソとマレーシア・リンギット、インドネシア・ルピアを購入する一方、トルコと南アフリカ共和国、ロシアの資産には慎重姿勢を取っている。このあたりの感覚は、私の実感と照らし合わせても非常に納得です。個人的にマレーシアやインドネシアには定期的に足を運んでいますが、たしかに景気は良くないものの、経済的な混乱は見られませんし、あいかわらず経済成長は続いており、国民の可処分所得も増加しています。資本が引き上げられているのは事実ですが、逃避した資本の多くは足の速い証券投資の部分です。インフラ投資など実体経済に根差した投資は、依然として継続しているのが現実です。
そんなわけで、つい最近も保有しているインデックスファンド、i-mizuho東南アジア株式インデックスを追加購入しました。やっぱり海外投資といえども、ある程度は実感に基づいた投資判断を大切にしたいと考えているからです。さてさて、私の逆張り投資の成果、どうなっていくのでしょうか。