2015年7月12日

老後が心配なら、とりあえず個人型確定拠出年金に入っておけ

NHKスペシャル「私たちのこれから#老後危機」を少しだけ見ました。やっぱりみんな、年金が不安なんでしょうね。人口動態の観点から、現在のように世代間扶養を原則とした仕組みにも限界あるのは明白です。だから番組でも、裕福な高齢者がそうでない高齢者を扶助する「世代内扶養」という考え方を紹介していました。基本的に私もこの考え方に賛成ですし、そうならざるを得ないと思います。ただし、そのためには国民全員が老後に向けた自助努力をすることが前提になるはず。そうでなければ、富裕層と貧困層の双方にモラルハザードが起こります。そのあたりは国も重々承知しているので、きちんと老後に向けた自助努力のための制度を用意してくれています。それが個人型確定拠出年金です。だから「老後が心配ならとりあえず個人型確定拠出年金に入っておけ」と言いたい(もちろん、個人型確定拠出年金には加入資格がありますから、国民全員が無条件に加入できるわけではありません。しかし、国は加入条件を緩和する方向で法律改正を予定しています)。

このブログでも何度も書いていますが、社会保障というのは公助・共助・自助のバランスで成り立っています。年金制度でいえば、国庫負担分がある国民年金が公助、企業負担分がある厚生年金は共助といえるでしょう。そして、公助、共助の機能が弱まっているのら、自助の部分を大きくするしかない。国もそのあたりの事情を分かっていますから、盛んに国民にメッセージを送っているのです。その一例が個人型確定拠出年金制度の拡充でしょう。
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国がわざわざ制度まで作って国民の自助努力の後押しをしているわけですから、これを利用しない手はありません。とくに私のように企業年金がない中小零細企業に勤めていて厚生年金までしか加入していない人や、自営業で国民年金しかない人は、もともと大きな自助努力が求められるのでなおさらです。

もちろん、個人型確定拠出年金に加入するためには、国民年金など公的年金保険料をしっかりと納めていることが前提です。よく「どうせ年金はもらえないのだから、年金保険料は払わない」などとバカなことを言う人がいますが、こういう人は国家というもの力を見くびっている。国家というのは、そんな簡単に無視したりできるようなヤワなものではないのです。国家権力を見くびっていると、簡単にひねりつぶされます。

もうひとつ大事なことは、人間は共同体に所属して存在している以上、自分だけが生き残るという考え方では立ち行かないということです。NHKの番組でも紹介されていましたが、日本の人口動態を考えれば今後、年金制度は現在のような世代間扶養を原則とした制度から世代内扶養の考え方を考慮した制度へと変わらざるを得ません。そうなると、自分と同世代の貧困層が増えれば、負担は自分にのしかかってくる。だから、私たちのような団塊ジュニア世代は、できるだけ同世代に老後の貧困層を増やさないように努力する義務があると思う。
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だから、老後が心配だという同世代には「とりあえず確定拠出年金に入ってけ」と言いたい。べつに運用成績を追求する必要はありません。極端な話、拠出全額を元本保証商品にしても60歳まで強制貯金させられることになり、それだけでも老後に向けた自助努力として意味があります。手数料を支払っても所得控除で支払った以上に税金が安くなるので、やっぱり意味があります。そういうことを同世代の人には知ってもらいたい。そうやって同世代の人が自助努力できるようなることが、ひいては将来の自分の負担を小さくするのです。「自分だけ生き残る」ではなく「みんなで生き残ろうぜ!」という発想でないといけないのです。
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