2015年2月18日

魅力が増したSBI証券の個人型確定拠出年金プラン

個人型確定拠出年金は、掛金全額が所得控除されるなど税制面でのメリットが大きく、長期的な資産形成のためにはぜひとも加入を検討すべき制度です。手数料や商品ラインナップの面から考えて、もっとも検討に値するプランの金融機関はSBI証券と野村證券でしょう。なかでも、ここにきてSBI証券の個人型確定拠出年金プランの魅了が増してきました。

SBI証券の個人型確定拠出年金プランの最大の魅力は手数料の安さです。運用資産残高が50万円を超えると、運営管理機関手数料が無料になります(50万円以下のときは月額324円)。また、商品ラインナップには低コストのETFにファンド・オブ・ファンズ方式で投資する低コストファンドシリーズ「EXE-i」が含まれているのも特徴。手数料を抑えながら、信託報酬が低コストのファンドで資産形成・運用することができます。

一方、野村證券のプランの魅力は商品ラインナップ。国内債券、国内株式、先進国債券、先進国株式、新興国債券、新興国株式、先進国REITでインデックスファンドが用意されており、ほとんどのアセットカテゴリーで最安値といえる信託報酬の商品をそろえています。とくに国内債券、国内株式、先進国株式に投資するインデックスファンドの信託報酬の安さは目を引きます(参考記事)。

なかな甲乙つけがたい両プランですが、ここにきてSBI証券のプランの魅力が高まってきました。このほど「EXE-i」シリーズが投資するETFをさらに低コストなETFに変更し、総コストが引き下げられることになったからです。例えば「EXE-i新興国株式ファンド」のコストは従来の年0.4084%(税込)から年0.3924%(税込)となり、「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」も年0.5164%(税込)から年0.3764%(税込)に大きく低下します。運営管理機関手数料が無料になることと併せて考えると、極めて魅力のあるプランになったといえるでしょう。

もちろん、SBI証券のプランには欠点もあります。例えば国内債券に投資する商品がアクティブファンドしかないこと。国内株式に投資するインデックスファンドも比較的コストの高いものか、TOPIX100指数に連動するインデックスファンドしかなく、分散が不十分という点などです。しかし、それでも運営管理機関手数料無料と、「EXE-i」シリーズのラインナップは魅力的。個人型確定拠出年金への加入を考える場合、真っ先に検討すべきプランに躍り出たといえるかもしれません。

【2016年4月追記】
SBI証券の個人型確定拠出年金プランは、2016年4月に商品ラインアップが大幅に拡充され、すべての資産カテゴリーで最低水準のコストのファンドがそろう形になりました。今後、他の金融機関がサービスを拡大する可能性はありますが、現段階では弱点のないプランとして個人型確定拠出年金の選択肢として“一択”の状態です。詳細は以下のの記事をご覧ください。

SBI証券の個人型確定拠出年金プランが大幅パワーアップ―商品ラインアップ拡充で選択肢として最有力に


※個人型確定拠出年金のメリットについては、竹川美奈子さんのこの本が非常に参考になります(ただし、中で紹介されている具体的商品の内容は初版発行時のデータなので注意が必要)

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