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2015年1月6日

生活防衛資金はどれくらい必要か?

一般人が投資を行う場合、相場がどんな状態になっても生活が破たんしないようにある程度のまとまった金額の現金を「生活防衛資金」としてリスク資産と別管理で持っておくことの重要性が強調されています。そもそも「生活防衛資金」という言葉を言い出したのは、木村剛氏だったと思います(投資戦略の発想法)。功罪いろいろある木村氏ですが、新しい言葉を作ったという点では、1990年代初頭に「マスゴミ」という言葉を作った東郷健氏と並ぶかもしれません。いずれにしても、生活防衛資金で足元をがっちりと固め、リーマン・ショックが来ようが、世界同時不況が来ようが、病気になろうが、リストラされようが、慌てて投資資産を取り崩さずにドンと構えて対処できる体制を作るというのは、素晴らしい発想です。では、生活防衛資金は、どれくらい必要なのでしょうか。

一般には生活費の2年分と言われますが、人によっては生活費の3カ月分でいいという声もあります。それぞれの生活様式や人的資本(収入や雇用形態、能力)によってさまざまな判断があるでしょう。大企業のサラリーマンや公務員なら、簡単に失業する可能性も小さいですから生活費の3カ月分といった強気の投資もできるでしょうし、自営業などは収入が不安定になりがちなので、やはり生活費の2年分は必要かもしれません。

ちなみに私自身は「生活防衛資金(生活費2年分)」+αとして、かなり厚めの現金・MMFを保有するようにしています。理由は、私は零細企業のサラリーマンだから。はっきり言って、いつ会社が倒産してもおかしくありません。ボーナスもわずかしか出ません。実際にリーマンショックの後などは、ボーナスがなくなったどころか、賃下げも経験しました。こういう不安定な身分だと、安心して投資を継続するためには、厚めの生活防衛資金が欠かせません。

それと、私はインデックス投資のほかに個別株を購入していることも関係しています。個別株は投資信託と異なり、積立などはできません(単位未満株を購入するやりかたはありますが、売買手数料が割高になります)。どうしても割安になったときに買い付けるというタイミング投資が不可欠。そのためには、ある程度の投資余力を常に保持しておくことが必要になります。そこで普段から目星をつけておいた銘柄が割安になった時に「+α」として寝かせてあった資金を使って買い付けることにしています。

そもそも、つねにフルインベストメントの状態が理想とされるのは、投資効率を要求される機関投資家だけです。私たちのような個人投資家は、べつにフルインベストメントにこだわる必要は一切ありません。一般人にとって投資は仕事ではないからです。生活防衛資金以外にも、ある程度の現金やMMFを保有していると、フレキシブルで余裕のある投資ができり、楽しみながら投資を続けることができると思います。

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