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2015年1月6日
チャールズ・エリス『敗者のゲーム(原著第6版)』の翻訳が出ます
チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』といえばインデックス投資やパッシブ運用に関する運用哲学の古典ともいえる1冊ですが、Amazonを検索していたら『敗者のゲーム〈原著第6版〉』が1月24日に出るようです。第6版では、どういった内容がアップデートされているのか気になるところです。
Amazonで原書Winning the Loser's Game, 6th edition: Timeless Strategies for Successful Investingの紹介を見ると、以下の内容が増補されているようです。
・U.S. government bonds: Why they're no longer a safe bet for long-term investors.
・Active management: Fees are higher than ever. Are they worth it?
・The investment management industry: They make huge profits--but how well do they serve you?
・Behavioral economics: Know yourself--and you'll be a better investor.
(拙訳)
·米国債:長期投資家にとって、なぜそれはもはや安全な投資先でないのか。
·アクティブ運用:手数料は従来以上に高くなっている。はたしてそれだけの価値があるのか?
·投資運用業界:彼らは巨額の利益を得る - しかし、彼らはあなたにどれだけのサービスを提供していますか?
·行動経済学:あなた自身を知る - そして、あなたはよりよい投資家になるだろう。
米国債だけでなく、日本国債を含めた先進国債券の将来的なソブリン・リスクは、多くの投資家にとって頭の痛い問題です。それだけにエリス氏が先進国債券に関して、どういった認識を持っているのか気になるところ。また、相変わらず歯に衣着せぬ投資業界批判は楽しみです。行動経済学など新しい知見への目配りも忘れていません。ぜひ読んでみようと思います。
ちなみに私が以前読んだのは『敗者のゲーム―金融危機を超えて<原著第5版>』でした。
印象に残っているのが、“ドリーム・チームを雇う”という考え方。ウォーレン・バフェットはじめ、全米のトップファンドのマネージャーすべてを雇って運用を任せればいい。それがインデックス投資であると指摘したところです。なぜなら「マーケットがプロによって支配されるようになった今、市場の動きはまさしくプロの動きの総和を示す。新しい情報が発生し、プロが判断を変える度に市場も動く。市場の動きはプロの「コンセンサス」をリアル・タイムで映す」からです。これを読んだときは、目からウロコでした(ちなみに、最近では超高速コンピューターによるアルゴリズム売買まで登場し、ますます“プロ=コンピューター”による市場支配が強固になっていますから、個人投資家が短期的に“人力”で“勝つ”ことが極めて難しくなっています)。
それと、こういう考え方の何が素晴らしいかというと、いちいちあたふたしていないところ。本当の金持ちはセコセコと毎日マーケットの情報を血眼になって注視したりません。ドーンと構えて、もっと意味のある活動に時間を割いています。プロに任せるというのは、本来はそういう意味のはずです。金主は金主らしく、ゆったりと市場全体の成果を享受すればいいのです。