ときどき腕時計を買いたくなる悪い癖があるのですが、久しぶりに発症してしまいました。今回購入したのはCITIZENの機械式時計「NJ0150-81L」。いわゆるTSUYOSAコレクションの1本です。CITIZENの機械式時計は初めてなのですが、これが想像以上に良い出来です。日本の機械式腕時計といえば、どうしてもSEIKOの存在感が大きいのですが、CITIZENも捨てがたい。気軽に遊び心を満たせるハイコストパフォーマンス機械式時計です。
CITIZENのTSUYOSAコレクションは、手頃な価格ながら高級感のあるデザインと、文字盤に多彩なカラーラインナップをそろえるなどで海外で高い人気があります。ブレスレッド一体型のケースデザインは近年のトレンド、いわゆる“ラグジュアリースポーツ”(ラグスポ)を意識したものでしょう。ムーブメントは汎用性の高いキャリバーNo.8210が採用されており、日常使いとしては十分な精度と信頼性があります。これで価格はメーカー希望小売価格が6万円台、並行輸入品を含めて量販店やネット通販などでは4万円前後で売られており、非常にお手頃な機械式腕時計としても評価が高い。
以前から気になっていたので、思い切って購入したのですが、実際に手にとって見ると、“これは売れるわ”と納得の1本でした。まず、この価格帯にも関わらず、風防にはきちんとサファイアガラスが採用されています。そしてブレスレットの出来が非常に良い。ジュビリー風3連ブレスレットとなっており、この価格帯の時計としてはかなりの高級感です。ライバルであるSEIKOの同価格帯の機械式時計は、ほとんどがミネラルガラスの風防であり、(これはSEIKOの低価格ラインに総じていえることですが)ブレスレッドがやや安っぽいですから、この価格帯になると案外とCITIZENの方が高級感のある商品が多いような気がします。
文字盤に落ち着いたカラーを選択すれば、オン・オフどちらでも使える便利な1本になります。個人的には華やかな文字盤カラーとラグスポ風のデザインを意識して、例えばオンならビジネスカジュアルのスタイリングの時に付けたり、それこそオフの完全なカジュアルスタイリングの時に全体を引き締めるアイテムとして使いたい。気軽に遊び心を満たせるハイコストパフォーマンス機械式腕時計というのが、TSUYOSAコレクションの魅力でしょう。今回も、なかなか満足感の高い買い物でした。