私は手書きで大量のメモをとる必要がある仕事をしています。このため筆記具にはちょととしたこだわりがあり、30代の頃から万年筆を愛用していました。ただ、ここ数年は少しボールペンに浮気を。ところが最近、万年筆熱が再燃しました。やはり万年筆を使っていると他の筆記具が使えなくなります。
たまたま手書きで大量のメモを取る必要のある仕事をしているので、とにかく使っていて疲れない筆記具が欲しい。その点、一般的な油性インクのボールペンはそれなりの筆圧でペン先を立てて使わなければならないので、使っていて非常に疲れます。水性ボールペンもありますが、こちらは書き味が緩すぎ、滲みもあるので細かい字が書けない。
そうなると、やはり一番使いやすいのが万年筆ということになります。あまり筆圧をかける必要がないので、大量の文字を書いた後の疲労感がまったく違う。そんなわけで30代の頃から仕事でも万年筆を愛用していました。
ところがここ数年は、ボールペンに浮気していました。これにはちょっとしたきっかけが。愛用してた万年筆が壊れたので修理に出そうと思いながら、とりあえず勤務先で支給されるボールペンを使ってみたところ、これがゲルインクタイプで非常に書きやすい。ついつい万年筆を修理に出すのを先延ばしにして、ゲルインクのボールペンを愛用するようになっていたのです。
それがまたなぜ万年筆熱が再燃したのかというと、これもちょっとしたきっかけが。それまで使っていたゲルインクのボールペンが廃番となり、勤務先から支給されるのも通常の油性インクのボールペンになってしまったのです。これがまた安物(おそらく勤務先の経費節減の影響でしょう)。使っているととにかく疲れる。そこで壊れていた愛用の万年筆を修理に出し、再び万年筆派に復帰したわけです。
数年ぶりに万年筆を使いだすと、やはり疲労度がまったく違う。年齢的な体力の衰えも関係するのか、若い頃よりも圧倒的に書いていて楽です。こうなると、もう普通の油性インクのボールペンを使う気にならず、最近ではすべての筆記に万年筆を使うようになりました。また、故障やインク切れに備えて予備の万年筆を購入したりもするようになり、今では仕事中に持ち歩くペンケースのほか、会社のデスクと自宅に複数の万年筆を常備するようになっています。
万年筆というのは非常に古典的な筆記具ですから、実用品であると同時に嗜好品としての側面もあります。このため現在でも愛好者が多い。ただ、最近では手書きで文章を書いたりメモしたりする習慣自体が少数派になりつつありますから、もしかした滅びゆく文化なのかもしれません。そういった反時代的な趣もまた、万年筆を使う面白さのような気がします。せっかくなので、このブログでも今後は少しずつ万年筆についても触れていくことにしたいと思います。