先日、近所の古着屋を覗いていたら、思わぬ掘り出し物を発見。クロケット＆ジョーンズのシングルモンクアンクルブーツ「ポートマン」です。クロケット＆ジョーンズの最上級ラインであるハンドグレードコレクションのひとつですが、状態が非常に良い。値段を見ると1万円台でした。試着してみたところ、これがジャストフィット。これはもう買うしかないということになりました。
クロケット＆ジョーンズといえば英国を代表する革靴ブランドのひとつ。現在では映画「007」シリーズでダニエル・クレイグが演じるジェームス・ボンドが愛用していることでも知られており、日本でも非常に人気があります。なかでも最上級ラインのハンドグレードコレクションは、製造工程にさらに手間をかけ、高級グレードの革を惜しげもなく使用しています。正規輸入販売店のひとつであるトレーディングポストのサイトでは以下のように紹介されていました。
クロケット＆ジョーンズ～ハンドグレードコレクション（トレーディングポスト）
近年、欧州の革靴ブランドは値上げが激しい。クロケット＆ジョーンズのハンドグレードコレクションも新品なら15万円前後します。これが中古とはいえ1万円台というのは破格です。おまけに程度が非常に良い。レザーソールには前オーナーによって丁寧にハーフラバーが貼られており、踵の減りもほとんどなし。それどころかヒールのトップリフトのレザーの塗料がまだかなり残っています。恐らく前オーナーによる着用回数はかなり少ないのでしょう。もちろんアッパーに使われているスエードもまったくくたびれていません。
もうこの段階で“買い”なのですが、なにより気に入ったのが履き心地。クロケット＆ジョーズは英国の靴ブランドの中でも木型の種類が非常に多い。このため自分の足に合うかが問題だったのですが、試着したところジャストフィット。もうこれは買うしかないとなったわけです。そして、実際に1日履いてみて驚きました。最初に足入れした際には絞り込まれた土踏まず部分に若干のタイト感があるのですが、歩いているうちに違和感が一切消失し、まるで足全体がぴったりと包み込まれるよな感覚になります。これは驚きました。履き心地は私が持っている革靴の中でもトップクラスです（もちろんスエード靴だという点を考慮する必要はありますが）。本当に掘り出し物だと思います。
いくら革靴好きとはいえ、私のような普通のサラリーマンは、15万円の革靴を買うことなどなかなかできません。しかし、中古で程度の良い物を見つければ、最上級品の履き心地を体験できる。世界的なインフレによって、いまや高級革靴は庶民が気軽に買うことのできるアイテムではなくなっていますから、中古靴という選択肢は大いにありだと思います。おまけに革靴というのはサイズが合っていても木型が合わず、購入してから数回着用しただけで手放されるケースがあり、リセールバリューの高い高級靴ほどこの傾向が強い。高級革靴に挑戦したいけど、価格面で躊躇している人は、まずは中古靴で試してみるというのは“賢い消費”だと思うのです。今回も、そういった“賢い買い物”ができたと思います。
