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2024年12月10日

野村證券からお詫びの手紙が来ました―ルフィ事件と同類にまで堕ちた日本の証券マン

 

帰宅して郵便受けを見ると、野村證券から「大切なお知らせです」と朱書きされた封書が届いていました。なんだこれはと思って開封してビックリ。「弊社元従業員の逮捕に関するお詫びとご確認のお願い」と題した手紙でした。10月に野村證券の営業マンが顧客に対する殺人強盗未遂・現住建造物等放火の容疑で逮捕されたこと(「当社元社員の逮捕について」野村證券)への釈明です。まったく前代未聞の不祥事で、野村證券の信用は地に落ちたと思います。

私は基本的にネット証券で株式や投資信託の売買を行っていますが、祖父から株式を贈与された関係で野村證券にも口座を持っています。ほとんど使っていない口座なので野村證券と直接やり取りする機会は稀なのですが、それでも今回の事件にはびっくりしました。


これまでも日本の金融機関はいろいろな不祥事を起こしてきましたが、今回の事件は異次元の酷さ。やっていることがまるで闇バイトによる“ルフィ事件”と同じです。こんな事件が起こると、もはや証券会社の人間とかかわるのが怖くなってもおかしくないでしょう。

最近ではネット専業証券が普及し、とくに若い人はほとんどがネットで取引しています。そうなると対面型証券会社はネット専業証券とは異なる付加価値を提供する必要があり、それこそが対面サービスに活路を見出すしかないわけです。そこで今回のような事件が起これば、ダメージは甚大。はっきり言って野村證券の信用は地に落ちたと言えるでしょう。

しかも、今回の事件を受けて今後の防止策として証券マンが顧客と対面で会うことに対する社内規制が一段と厳しくなりました。皮肉なことですが、対面型証券会社が顧客と対面することを規制するわけですから、サービスの質が低下せざるを得ません。つまり、今回の事件によって野村證券に代表される対面型証券会社は、一種の自縄自縛に陥ってしまうわけです。

そう考えると、今回の不祥事によって日本の対面型証券会社は、少なくともリテール営業において甚大な打撃になりそう。それこそ、リテール事業の在り方が根本的に変えられるぐらいのインパクトがあるのでは。ただ、それは身から出た錆というもので、自業自得なわけですが。とにかく、よほど真剣に綱紀粛正しなければ、日本の対面型証券会社はますます個人投資家の信頼を失っていくのではないでしょうか。

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