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2024年1月17日

新ポートフォリオの成果か―ひふみ投信の2023年12月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2023年12月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。12月の騰落率は-0.20%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は-0.23%でした。純資産残高は12月29日段階で1587億円(前月は1608億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は7790億円(前月は7937億円)となりました。わずかですが、久しぶりに参考指数をアウトパフォームしています。10月から抜本的にポートフォリオを見直した効果が出ているのかもしれません。

12月は日本株市場が一時的に円高傾向となったことで冴えないスタートとなりました。一方、欧米株は金利低下や中央銀行によるハト派(金融緩和)発言などもあって上昇しており、日本株は円高と欧米株高に挟まれる形で狭いレンジで推移し、最終的には前月末比から若干の下げて取引を終えています。

こうした中、「ひふみ投信」は12月からやや円高方向に有利なポートフォリオを組んでいたようで、それが運用成績に現れたと言えそうです。その上で12月の運用レポートから保有銘柄の開示数を従来の10銘柄から30銘柄に増やし、より具体的に運用戦略を説明するようになりました。運用責任者の藤野英人さんは現在の戦略として①AIの進展②半導体の回復③大型バリュー株の保有④思い切った成長株への投資―の4点を挙げ、具体的な銘柄を挙げながら以下のように説明しています。
AIの進展という面では、村田製作所、MICROSOFT、NVIDIA、アドバンテストなどが関連銘柄です。一方で、これらの銘柄に加えて広い意味では、TOWA、ソニー、東京エレクトロン、なども関連銘柄です。三菱重工、鹿島建設などは、工場建設やプラント建設の盛り上がりなどという観点での投資になります。M&A総研ホールディングス、GMOペイメントゲートウェイ、SHIFTなどは内需成長株という観点で投資をしています。長らくこのジャンルの銘柄は売り込まれていましたが、2024年度は持ち直しを期待しています。M&A総研ホールディングスやベイカレント・コンサルティングは、国内M&A市場の盛り上がりやDXコンサルティングの需要の増加を見ています。スズキはインド市場およびダイハツの不祥事による代替という側面を見ています。
もちろん「ひふみ投信」の持ち味である「キラリと光る中堅中小企業」も開示した30銘柄以下の中で幅広く投資しているということです。こういう具合的な説明が充実したことで、受益者もますます納得も得心もできるようになるのではないでしょうか。

また、保有銘柄の開示を増やしたことで、もしかした追随した買いを呼び込む可能性もあります(いあわゆる“ちょうちん買い”)。それは「ひふみ投信」やその受益者にとってありがたいことです(もっとも、売り崩しのターゲットにされる危険性もありますが)。

いずれにしても、まずは成果が出たことで新ポートフォリオに対して受益者の1人として期待したいと思います。

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