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2023年12月30日

インフレ時代における投資の意義が可視化された1年―2023年の運用成果と資産状況

 

12月29日で東京証券取引所も大納会となり、いよいよ2023年も終わりが近づいてきました。今年はロシアによるウクライナ侵攻の長期化やパレスチナ情勢の悪化など悪材料もありましたが、総じて堅調な相場となったと言えそうです。とくに日本株の力強さが目立った1年だったと思います。


自分の資産状況を見直してみると、2023年は日本株上昇の恩恵を受けた1年だった言えそうです。同時に、インフレ時代における投資の意義が可視化された1年だったと思います。今年1年間で資産がどれだけ増えたのか簡単に計算した上で紹介したいと思います。

例年と同様、資産管理に活用している「マネーフォワードME」を使って確認しました。あくまで簡便な計算なので厳密な数字ではありません。また、例によって具体的な金額は書きません。

まず、リスク資産(個別株、投資信託<iDeCo含む>)と無リスク資産(普通預金、定期預金)を合わせた金融総資産は2022年12月末との比較で17.49%増となりました。大幅増加の要因の一つが給与収入の増加です。新型コロナウイルス禍も収束し、経済活動が正常化したことで勤務先企業の業績が回復しつつあり、今年はボーナスも少し増えました。

ただ、それ以上に金融総資産を押し上げたのがリスク資産の上昇です。こちらは前年比30.36%増となりました。もちろん積立投資による追加資金投入がありますから、それを考慮したディーツ簡便法による年間パフォーマンスは27.51%増となりました。グラフで見ると次のようになります。


グラフでは株式(現物)が大きなウエートを占めますが、ここには自分が買った日米の個別株のほかに祖父から受け継いだ関西電力株と、インデックス投資をスタートさせたときに一括投資したETFが含まれています。また、年金の部分はiDeCoです。いずれもきれいな右肩上がりとなりました。

とくに保有する個別株のパフォーマンスが素晴らしく、評価額は過去最高を更新しています。また、インデックスファンドも円安によって海外資産に投資するファンドの基準価額が上昇し、パフォーマンスを押し上げました。このため日経平均やダウ平均といった指数を上回る運用成績となったわけで、我ながら出来過ぎの結果でした。

過去に例がないほど好調な運用成果となったわけですが、それは同時に“インフレ時代における投資の意義”が可視化された1年でもありました。世界的なインフレの波が日本にも及び、今年はあらゆるものの値段が上昇しました。このため、多少の収入増はあったものの実質的な購買力は毀損されています。しかし、それ以上に投資によって資産が増えているため、インフレの打撃がかなり相殺されていることを実感します。

やはり資産運用というのはインフレによる購買力の毀損に備えるためにあるということを身をもって体験しました。もし投資していなかったら、今年はかなり緊縮の家計とならざるを得ず、QOLも大幅に低下したことでしょう。しかし、金融資産総額が過去最高となっていると、多少の値上げなど気にせずに必要なもの、欲しいもの、したいことにどんどんお金を使うことができました。まさにインフレ時代における投資の意義が可視化されたわけです。

来年からはいよいよ新NISAも始まり、新たに投資を始めようと考えている人も多いことでしょう。そういう人にひとことアドバイスするなら、もはや現代において資産運用というのは、ある種の生活防衛手段なのだということです。単純に“儲ける”ことを目的とした運用ではなく、それこそ資産を、そして生活を守るために資産運用するのだということです。

まもなく2024年が始まります。今年の相場がこれだけ堅調だと、それこそ「山高ければ谷深し」で、来年は大きな波乱があるかもしれません。だからこそ、引き続き“生活防衛としての資産運用”を続けていこうと思います。それが自分だけでなく家族の生活も守ることになるからです。

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