サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2023年8月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。8月の騰落率は-0.11%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+0.43%でした。純資産残高は8月31日段階で1580億円(前月は1583億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は7874億円(前月は7888億円)となりました。8月は残念ながら参考指数をアンダーパフォームしています。依然として一進一退の運用が続いている「ひふみ投信」ですが、新たに「ひふみ魅力化計画」をスタートさせ、今後の戦略と体制を明確にしてきました。
8月は大手格付け会社による米国債の格下げや米国のマクロ経済指数などがいまひとつ冴えなかったことなどもあり株式市場は軟調に推移しました。ただ、マクロ指数が低調だったことで利上げペースの鈍化期待も高まり、月後半は株価も反発して終わります。こうした中、日本株は比較的堅調に推移しており、月次の騰落率は若干のプラスで着地しました。
「ひふみ投信」の運用は依然として一進一退です。最高運用責任者である藤野英人さんによると、8月はインフレの恩恵が期待できる食品関連銘柄などへの投資を進めると同時に複数の小型株も買い増しているようです。また、上昇していた金融銘柄に関しては一部利益確定売りし、ビックモーター問題の影響が予想される損保銘柄も売却しました。結果的に参考指数を下回る運用成績となりましたが、いろいろと手を打っていることはよく分かります。
こうした中、「ひふみ投信の運用をより長期視点で投資を行ない、10年目線の投資
をする方向にこれから大きく変えていこうと考えています」として、「ひふみ魅力化計画」が始まりまりました。そのひとつとして、「ひふみ目論見俱楽部」(愛称ミーモ)がスタートします。冒頭に挙げた動画で藤野さん自身が説明していますが、10年後の未来を“目論む”ために以下のテーマごとに専門家を置いて対話を行い、受益者に発信することになります。
【テクノロジー&サステナビリティ群】
・グリーン&エネルギー
・スマートインフラ&イノベーション
・省人化&ロボティクス
【ソーシャルインパクト&ヘルスケア群】
・ダイバーシティ&エデュケーション
・フード&ウォーターセキュリティ
・ヘルスケアイノベーション
・デジタルコミュニケーション&プライバシー
【グローバルエコノミー&地政学群】
・エコノミー&トレーディング
・地政学&セキュリティ
・人口動態&高齢化
「ひふみ投信」に限らず、現在はアクティブファンドにとって厳しい時代になっています。その中で、ファンドとしての付加価値をどのように作っていくのかは、喫緊の課題でしょう。そうした中で、「ひふみ投信」が始めた「ひふみ目論見倶楽部」がどのようになっていくのか、そして運用成果につながっていくのか、受益者の1人として期待して見守りたいと思います。
【ご参考】
ひふみ投信は、銀行や証券会社といった販売会社を通さない直販ファンドです。ネットから無料で口座を開設することができます。⇒ひふみ投信
ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する「ひふみプラス」はSBI証券 、auカブコム証券、楽天証券、マネックス証券など主要ネット証券や地方銀行などで買うことができます。
また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券、松井証券などの個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券、松井証券のiDeCoはいずれも運営管理手数料が無料であり、低コストなインデックスファンドをそろえた商品ラインアップも良心的。iDeCoの選択肢として最有力です。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン