2023年5月12日

新NISAに向けた運用会社の競争は既に始まっている

 

既に何人ものブロガーさんが紹介していますが、SBIグローバルアセットマネジメントが低コストインデックス型ファンド11本を一気に新規設定してきました。


こうした動きは、やはり2024年から始まる新NISAに向けたものでしょう。運用会社の競争が既に始まっていることを強く感じました。

今回、SBIグローバルアセットマネジメントが設置するのは、バンガードのETFを使ってパッシブ運用する「SBI・V」シリーズ5本と、ブラックロックのETF「iシェアーズ」シリーズを通じて運用する「SBI・iシェアーズ」シリーズ6本です。数が多いので個々の詳細はリリースを見てもらいたいのですが、投資対象インデックスは米国増配株式や先進国株式(米国除く)、米国小型株、米国債、米国社債、米国ハイイールド債、ゴールドと多彩です。しかも信託報酬は0.09%~0.2%台と極めて低廉。ポートフォリオに自分なりの味付けをしたい人にとっては非常に魅力的なシリーズになると思います。

個人的には「SBI・iシェアーズ」が面白いと思いました。ETFを通じて多彩な債券への投資が可能になります。ここ10年ほど世界的な低金利(=債券価格高騰)によって債券への投資は事実上、機能停止の状態にありました。しかし、昨年からの急激なインフレと、それを抑えるために各国中央銀行が利上げに動いたことで債券の利回りが急激に回復しました。このため、債券への投資妙味も回復しています。

それにしても一気に11本の新規設定というのは凄い。やはり2024年から始まる新NISAに向けての布石でしょう。何しろ新NISAは非課税期間が恒久化されるので、ここでシェアを獲得できれば、そのファンドは息の長い収益源となります。逆に出遅れると、挽回はかなり難しいでしょう。また、投資信託は設定直後に購入するのはさせるというのがセオリー。ですから、運用会社は新NISAがスタートした段階で既にある程度の運用実績のある魅力的なファンドをそろえていないと勝負にならないのです。

今後、他の運用会社も新NISAに向けて戦略的なファンドを打ち出してくるのは間違いないでしょう(日興アセットマネジメントのTracersオールカントリー」などもその一つです)。そうした競争によって、個人投資家にとってメリットのある商品が一段と増えることが期待できそうです。

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