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2023年1月14日

守りの運用に一定の成果―ひふみ投信の2022年12月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2022年12月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。12月の騰落率は-3.57%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は-4.57%でした。純資産残高は12月30日段階で1376億円(前月は1429億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は6867億円(前月は7116億円)となりました。騰落率がマイナスとなる厳しい運用の中で、なんとか参考指数をアウトパフォームしています。2022年は「ひふみ投信」にとって最悪の年でしたが、最後に“守りの運用”が一定の成果を上げたと言えそうです。

12月は、世界的な景気減速懸念や中国での新型コロナウイルス感染拡大など悪材料も多く、株式相場も上値の重い展開が続きました。日本でも日銀が事実上の利上げに踏み切るなど金融政策の修正に動いたことで円高・株売りの動きが強まっています。このため市場平均は大きく下落して2022年を終えています。

「ひふみ投信」にとっても2022年は最悪の年だったと言っていいでしょう。年間騰落率は参考指数の-2.25%に対して「ひふみ投信」は-13.6%という酷い成績になっています。過去の貯金をかなり吐き出したことになります。4月からファンドマネージャーが佐々木靖人氏に交代しましたが、佐々木さんにとっても苦しい1年だったと思います。

とくのFM交代直後は、「ひふみ投信」のこれまでの運用戦略と自分の運用戦略の間にギャップがあり、なかなか自分の色を出せない迷いがあるように感じました。そうした中で市場環境はどんどんと悪化する展開となり、佐々木さんにとっては苦しい状況だったと思います。

ただ、ここ数カ月は佐々木さんの中で良い意味の開き直りができたのか、徐々に自分の色が明確になっていったと思います。市場環境が悪化する中で、とにかくマイナスを少なくする“守りの運用”に重点を置く方針がかなり明確になっていたのでは。それが一定の成果を上げつつあったことが、12月の成績につながっていると思います。

既に発表があったように、1月からは再び藤野英人会長兼社長が「ひふみ投信」のFMに復帰します。短期間でのFM交代となったことは、アクティブファンドにおける人材の世代交代の難しさという問題を浮き彫りにしました。依然として容易ならざる投資環境ですが、「ひふみ投信」にはぜひ輝きを取り戻して欲しいと受益者の1人として強く願います。同時に、佐々木さんにも引き続き現場で頑張っていただき、いずれ再び舞台の中心に躍り出ることを期待しています。

【ご参考】
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