2022年12月20日

ついにNISAが恒久化へ―日本の資産形成・運用のあり方は大きく変化する

 

このほど与党が決定した「2023年度税制改正大綱」で、ついにNISA(少額投資非課税制度)の投資期間恒久化と投資限度額の拡充が盛り込まれました。国会での審議が順調に進めば、2024年1月から新NISAがスタートすることになります。これにより日本の資産形成・運用のあり方は大きく変化するでしょう。いよいよ新しい時代が始まります。

新NISA(現時点では、まだ“改正案”ですが)については、いろいろなメディアで解説が出ています。例えば楽天証券「トウシル」には以下の記事が出ており、簡便に要点をまとめてくれています。


現時点で決定的な評価を下すことは控えますが、第一印象として現行制度から劇的に改善されることになるのは間違いありません。まず、個人投資家の長年の要望だった投資期間の恒久化が実現することが大きい。これでようやく日本のNISAも欧米の少額投資非課税制度と同じような制度になるわけです。

また、現行制度では「つみたてNISA」と一般NISAが並立し、どちらか一方しか利用できなかったのですが、新NISAは「つみたて枠」と「成長投資枠」があり、それぞれ投資限度額も引き上げられた上で両方を併用することができます。これはNISAで個別株やETFによる運用をしたい投資家にとって非常に利便性が高いでしょう。

生涯投資上限額の設定という建て付けも面白い。商品を売却すれば、それで空いた枠を再び利用することができることになり、例えばライフプランの急変などで一時的にリスク資産を現金化する必要に迫られた場合などに柔軟に対応できるようになっています(そのほかにも、いろいろと興味深い点が多々あるのですが、それいついてはいずれ別稿を用意したいと思います)。

新NISAがスタートすれば、日本の資産形成・運用のあり方も大きく変わるでしょう。“制度の質”が大幅に向上しているからです。一方、“制度の質”が高まれば、今度はそれをどのように利用するのかという“投資家の質”が問われることになるでしょう。その意味でも、新NISAによって日本の資産形成・運用の世界は、新しい時代に突入することになりそうです。

関連コンテンツ