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2022年9月16日

日本は主要先進国の中で最も高い成長率を達成するかも―「iTrust世界株式」の2022年8月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2022年8月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の8月の騰落率は-0.43%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+0.7%でした。残念ながら参考指数を大きくアンダーパフォームしています。ここにきて世界の株式相場の先行き不安感が高まってきました。特に米国株に加えて中国株に暗雲が立ち込めてきたというのがピクテの分析です。一方、最も期待できる地域は日本だという指摘も興味深いものがあります。

8月は底堅い企業業績などを背景に株式市場も堅調なスタートを切りましたが、月後半は欧州の長期金利上昇やドイツ経済の先行き懸念、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が積極的な利上げを示唆したことなどから下落しました。業種別ではエネルギーや公益銘柄が上昇する一方、ヘルスケアや不動産、情報技術セクターが大きく下げています。

ピクテは今後の見通しに対してもかなり悲観的です。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」9月号によると、インフレ率が急速に低下する可能性は低く、市場環境は大幅に悪化する可能性が高いと見ています。米国のGDP成長率予想も大幅に下方修正され、ユーロ圏とともに経済活動の鈍化が鮮明になっています。このため米国株とユーロ圏株については慎重な姿勢を維持しました。依然として割高感も強い。

加えて、ここにきて中国株に暗雲が立ち込めています。直近の消費および投資関連指数は事前予想をはるかに下回っており、輸出の伸びも頭打ち傾向。不動産市場では深刻な問題が相次いで発生しており、事態収束の気配はまだありません。このため投資判断を従来のオーバーウエートからニュートラルに引き下げました。

米国、ユーロ圏、中国ともに先行き不安となる中、期待できるのが日本株だそうです。ピクテは「日本は、経済環境が比較的良好な数少ない国・地域の 1 つであり、2023 年には、主要先進国・地域の中で、最も高い成長率を達成することが予想されます」とまで指摘しました。コロナ後の需要回復の恩恵を享受することが期待できることに加え、「インフレ動向が相対的に穏や」なことが理由です。

こうした海外からの見た方は非常に興味深いものがあります。日本でも物価上昇が問題になっていますが、本物のインフレに直面している米国やユーロ圏からすれば、日本の物価上昇などは、ほとんど問題にならないレベルなわけです。通貨に関してもピクテは日本円をスイスフランと並ぶ安全通貨としてオーバーウエート推奨を継続しました。

日本の中だけを見ていると日本株や日本経済に対して悲観論ばかり目立つのですが、案外と海外の目には別の姿が映っているのかもしれません。

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