サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2021年11月次運用報告書が出ました。11月の騰落率は-4.40%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は-3.61%でした。純資産残高は11月30日段階で1504億円(前月は1570億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は7139億円(前月は7436億円)となりました。月末に新型コロナウイルスの新たな変異株、オミクロン株への不安が突如として現れ、大きく下落しました。「ひふみ投信」も支えきれず、参考指数を大きくアンダーパフォームしてしまいました。
11月の株式市場は強弱材料が入り混じる方向感のない相場が続いていましたが、終盤になると突如として南アフリカで新型コロナウイルスのオミクロン株感染の情報がもたらされ、市場は一気にリスクオフとなりました。モデルナのCEOが、既存ワクチンがオミクロン株に対して効果がない可能性があるといった悲観的な発言をしたことも相場に冷や水を浴びせた形となっています。
こうした状況下、「ひふみ投信」の最高運用責任者である藤野英人さんは現在の市場環境を次のようにまとめています。
①日本企業の上期決算が出揃い、下期は原料高騰とサプライチェーン問題による業績悪化懸念が製造業の雰囲気を悪くした。②パウエル議長の再任が決まり、米国の金融政策において利上げ開始時期の前倒しが期待された。③新型コロナウイルスのオミクロン株の登場でコロナ禍の長期化が意識され、株も金利も下がった。④日本政府はオミクロン株への対応としてやや過剰な「鎖国」とも呼べる水際対策を打ち出し、成長路線や規制改革路線からの逸脱を明確にした。
このうち、①と②は物価上昇と関連していますが、以前よりも日本企業はコストプッシュを価格転嫁しやすくなっていると見ています。ただ、サプライチェーンの混乱は、とくに中小企業にとって頭の痛い問題となります。③に関しては、ここにきて重症化リスクは既存株よりも低いのではないかといった観測が出てきました。問題は④で、まさに「政府の行動が不安要素」と厳しい見方をしています。
そして、こうした時こそ「現場一流の日本企業の力が試されている時」だと指摘しています。「ひふみ投信」がモットーとする「地味で地道に成長する企業」への投資が、ますます重要になるということでしょう。2021年はどちらかというと冴えない成績となっている「ひふみ投信」ですが、今後の巻き返しに期待したところです。
【ご参考】
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