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2021年5月27日

日本株だけオーバーウェイト推奨―「iTrust世界株式」の2021年4月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2021年4月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の4月の騰落率は+3.54%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+4.07%でした。4月は参考指数を若干アンダーパフォームしています。さて、これまで好調が続いていた株式相場ですが、ここにきてピクテは世界経済の回復が株価に織り込まれたとして、ピークアウトしつつあるとの見方を強めています。そん中、日本株だけは引き続きオーバーウェイトを推奨しているのが興味深い点です。

4月は欧米の経済指標が良好だったことや米国の連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和姿勢を続けると示唆したことが好感され、株価も好調に上昇しました。米国企業を中心に決算が良好だったことも市場の安心感につながっています。

欧米を中心に新型コロナウイルスワクチンの接種も進んでおり、ようやく経済正常化に向けた道筋も見えてきましたから、株価もさらに上を目指すのかと思っていたのですが、ここにきてピクテは慎重な見方を強めています。

「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」5月号によると、既に株価には経済正常化が織り込まれており、ピークアウトの兆しがあるとのことです。このため株式をオーバーウェイトからニュートラルへ引き下げることを推奨しています。逆にキャッシュはアンダーウェイトからニュートラルに引き上げました。

やはり経済正常化にともない、中央銀行による流動性供給も徐々に縮小に向かうため、株価押し下げへの圧力が増すことになりそうです。株式のバリュエーションも割高感が強いだけに、「業績が事前予想を上回る場合も市場の反応は限定的なものに留まる一方で、業績が予想を下回った場合には容赦のない厳しい反応もあり得る」と指摘しています。

流動性供給の縮小に対してとくに脆弱だと考えられるのが米国株。バイデン政権が株式譲渡益への増税を検討していることも無視できません。投資家が増税実施前に駆け込みで株式を売却し、利益を確定する可能性もあるからです。ただ、米国株、とくに含み益が大きいであろうハイテク銘柄から流出した資金が割安なバリュー株に流れ込む可能性もあります。

その候補としてピクテが注目するのが日本株。株価水準が魅力的である上に「相対的に高い構成比率を占める輸出型企業が世界貿易の改善から大きな恩恵を受けることが予想されるから」だそうです。このためピクテは日本株だけはオーバーウェイトを推奨しています。なかなか興味深い指摘でした。

日本でもワクチン接種の進展が加速してきました。このまま順調に接種が拡大し、新型コロナ感染者・死亡者も減少に転じれば、いよいよ経済正常化に向けた道筋が見えてきます。このあたりの動向も含めて、日本株が注目ということになりそうです。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランauカブコム証券確定拠出年金プラン

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