2021年2月22日

「PayPay投信インデックスファンドシリーズ」が登場―もうひとつの“業界最低水準の運用コストを目指す”

 

アストマックス投信投資顧問(3月8日付でPayPayアセットマネジメントに社名変更予定)から新たな超低コストインデックスファンド「PayPay投信インデックスファンドシリーズ」が登場します。第1弾として3月8日から「PayPay投信日経225インデックス」「PayPay投信NYダウインデックス」の2ファンドの運用が始まります。なんといっても最大の注目点は、「業界最低水準の運用コストを目指します」というコンセプトを掲げていることです。


インデックスファンドの低コスト競争に新たな一石を投じることになるか。非常に興味深いファンドが登場しました。

「PayPay投信インデックスファンドシリーズ」の最大の注目点は「業界最低水準の運用コストを目指します」と宣言していることでしょう。このため今回発表された2ファンドの信託報酬(税抜き)は以下の通りとなり、いずれも対象ベンチマークに投資するインデックスファンドとして最安値を更新します。

「PayPay投信日経225インデックス」(信託報酬:0.13%)
「PayPay投信NYダウインデックス」(信託報酬:0.18%)

インデックスファンドの低コスト競争に新たな伏兵が登場したことになり、競争の構図にどのような影響を及ぼすのか非常に気になるところです。とくに気になるのが「業界最低水準の運用コストを目指します」というコンセプトが、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズとほぼ同じということ。もうひとつの“業界最低水準の運用コストを目指す”ファンドが登場したことで、どのような波及効果が生まれるのでしょうか。

恐らく今後、「eMAXIS Slim」は「PayPay投信インデックスシリーズ」に追随して信託報酬を引き下げてくでしょう。その時にPayPay投信がどう動くか。もしそこで、再び「eMAXIS Slim」をさらに下回る信託報酬への再引き下げに動けば、再び低コスト競争が加速する可能性があります。そうなると、ニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>」シリーズも黙ってはいないでしょう。

もう一つ気になるのは、現在のようなインデックスファンドの低コスト化が進めば、基本的に最後は運用会社の体力や運用基盤の大きさが勝負を決める面があります。はたしてアストマックス投信投資顧問(PayPayアセットマネジメント)にそういった体力があるのか。低水準の信託報酬でも採算がとれるマザーファンドを持っているのか。これはファンドの持続性に関わる問題ですから、非常に気になるところです。

いずれにしても新たな伏兵の登場でインデックスファンドの低コスト化が進むのは個人投資家にとって喜ばしいことに変わりはありません。その意味でも「PayPay投信インデックスシリーズ」の今後の動向は要チェックだと思います。

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