2020年11月18日

日本はアジア経済回復の恩恵を受ける―「iTrust世界株式」の2020年10月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2020年10月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の10月の騰落率は-4.71%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-2.79%でした。積極的な銘柄選択が裏目に出て、参考指数を大幅にアンダーパフォームしています。こうした中、ピクテでは日本株への期待を高めているようです。新型コロナウイルス禍からいち早く回復しそうなアジア経済の恩恵を日本が享受する可能性が高まってきたからです。

10月は月初こそ好調な相場つきでしたが、米国の追加経済対策の成立が遅れるとの懸念や欧米の経済指標が冴えなかったこと、新型コロナ禍の再拡大など悪材料が重なり、株価も下落して終わりました。とくにヘルスケアや資本材セクターが大きく下げており、これらセクターのウエートが大きかった「iTrust世界株式」は、指数を大きくアンダーパフォームしていしましました。

こうした中、ピクテが期待を寄せているのがアジア経済だそうです。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」11月号によると、中国を中心とした新興国株のオーバーウエートを維持すると同時に、日本株もオーバーウエートに引き上げました。中国経済が既に新型コロナ禍以前の水準にまで回復するなどアジア経済が復調する中、その恩恵を受けるのが日本経済だという見立てです。レポートでは次のように書いています。
輸出比率の高い日本経済は、アジア経済回復の恩恵を特に享受する公算が高いと考えます。
世界3位の日本経済は4ヵ月連続で実質輸出が拡大しており、財政・金融両面の景気対策を受けて家計の支出も増加が予想されます。
菅政権が掲げる企業改革の継続と、日本株式のバリュエーション面での魅力により、今後数ヵ月間、継続的な資金流入を予想しています。北アジア各国と同様、欧州や米国と比べて新型コロナウイルス感染の抑え込みに成功していることも好材料です。 
実際に11月に入ってからは日本株は好調が続いており、日経平均株価も一時2万6000円を回復しました。日本に居るといまひとつ実感がわかないのですが、やはり海外から見ると日本株には好材料が多く見えるようです。そういえば、“日経平均30万円説”でおなじみのエミン・ユルマズさんも日本株には好材料がそろっていると指摘しています。


エミンさんは「1980年代のような「日本の時代」が再び到来する、と私はみています」とまで言っていますが、ぜひそうあって欲しいものです。いずれにしても現在の日本株の好調には、それなりの背景があるということでしょう。せっかくなので、ちょっとエミンさんの本を読んでみようと思いました。

 

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランauカブコム証券確定拠出年金プラン

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